- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書では、「しごと」を経済的報酬の多寡にかかわらず、本気で継続的にコミットするものと定義し、人生を豊かにする「働き方の3原則」を提示する。それは、「無駄をなくす」「徹底的にこだわり抜く」「あえて遊ぶ」という3つの働き方を自由に配分し、自分なりの働き方をデザインすることだ。そうすることで、合理性や生産性の追求だけでは手に入らない、真の「クオリティ・オブ・ライフ&ワーク」が実現できるのだ。
著者はマッキンゼー・アンド・カンパニーで 25年間コンサルタントとして活躍した山梨広一氏。AIなどのテクノロジーが進化し続ける中では、働き方も進化させざるを得ず、その進化の先にあるのが、働き方の3原則だ。個人レベルの働き方改革を実施したい方、部下やチーム内に働き方への意識付けを行いたい方など、今までの働き方からの脱却を考えるすべての方にご一読いただきたい。
1954年東京生まれ。東京大学経済学部卒業、スタンフォード大学経営大学院(経営学修士)修了。富士写真フイルムを経て、90年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。95年からパートナー、2003年からシニアパートナー。小売業、消費財メーカーおよびその他業界の企業の戦略構築や組織変革、マーケティング、オペレーション改革など、マッキンゼー日本支社において最も豊富なコンサルティング経験を有する。
2010年から2014年まで、東京大学工学部大学院TMI(技術経営戦略学専攻)で「企業戦略論」の講座を指導、また同大EMPにて「消費論」の講義を行っている。2014年、マッキンゼー退社後、イオン株式会社執行役を経て特別顧問。2016年から株式会社LIXILグループ取締役。
著書に『プロヴォカティブ・シンキング 面白がる思考』『シンプルな戦略』(以上東洋経済新報社)、『マッキンゼー プライシング』(共著)、『マーケティング・プロフェッショナリズム』(共著、以上ダイヤモンド社)、『ニューグロース戦略』(共著、NTT出版)など。
第1章 「仕事」から「しごと」への発想転換
第2章 「前例踏襲型」マインドセットから「生産性」「こだわり」「遊び」への目的転換
第3章 「受動的」から「能動的」への姿勢転換
要約ダイジェスト
「仕事」を再定義する
いま起こっている働き方改革の議論の中心は、効率化・時間短縮・勤務形態の多様化などだ。これらは、国や企業などが国民や社員に保障すべき健全な生活を営むための最低限度の基準としては正しく、必要なものだが、すべてではない。
それと並行して、私たちひとりひとりがいかに自分の働き方を変えていくかを考える必要があるのだ。そのときのキーワードは「自由度」だ。自由度が広がることで、各人が自分に合った働き方ができるようになり、それが社会全体の充実感の高まりにつながるからである。
これからの働き方を考えるには、まず「しごとの定義」を見直す必要がある。しごとをどのように定義するかによって視野や視点が変わり、自由度や面白さが変わってくるからだ。一般的なしごとの定義は、経済的な報酬を得ることだが、