『顔は口ほどにモノを言う!―ビジネスに効く 表情のつくり方』
(清水建二/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 対人コミュニケーションにおいては、話す内容と同等かそれ以上に、見た目や表情などが受け手に大きな影響を与えることが知られている。特に表情の使いかたは難しく、営業やクレーム対応などの場で、適切な表情でなければ自分の想いや感情が誤解されてしまうこともある。また、外国人とのやり取りでは、伝え方だけでなく、文化的背景も踏まえたうえで、相手の表情やボディランゲージを正しく受け取らなければならない。

 本書は、こうした言葉以外による「ノンバーバル・コミュニケ―ション」の教科書と言える一冊だ。上記のようなコミュニケーション齟齬が生ずる原因となる、表情やしぐさ、声色などの言葉以外のコミュニケーション・シグナルの正しい伝え方を図解と写真付きで、商談・接客・指導・就転職などの場面ごとにわかりやすく解説している。

 著者は顔の動きを客観的にコード化するFACSと呼ばれる手法を用い、ヒトの感情や意思決定プロセスを解明する表情分析の専門家で、企業や官公庁で顧客や交渉相手、応募者などの感情の読み取り方や、犯罪捜査におけるウソ検知などの研修やコンサルティングなども行う人物。営業や接客職に従事するビジネスパーソンはもちろん、マネジャーや経営者などの人を動かすスキルをレベルアップさせたい方はぜひご一読いただきたい。

著者:清水建二(Shimizu Kenji)
 株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、公官庁や企業で研修・コンサルティングを精力的に行っている。
 ニュースやバラエティー番組で政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマ(「科捜研の女 シーズン16」)の監修をしたりと、メディア出演も多数。著書に『「貌」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)がある。
Chapter1 感情を伝えられる人、伝えられない人
Chapter2 感情を身体で表現しよう!
 1)「表情」・「声」・「体」、表現媒体としての質と量
 2)「表情」・「声」・「体」、それぞれの得意分野
 3)表情づくりのトレーニング
 4)体で表現するトレーニング
Chapter3 「ノンバーバル・スキル」をビジネスの場へ!
 1)自己表現のための3原則
 2)商談・営業・企画会議 ― プレゼンで生きる技術
 3)接客 ― 笑顔は「万能のサービス」ではない
 4)教育・指導 ― 部下を「感情的に」叱る方法
 5)就職・転職・自己PR ― 「ウソ」と誤解されないために
 6)異文化コミュニケーション ― 外国語ができなくても
 7)舞台・演技 ― 「表情」の発展編
Chapter4 これからの感情世界を生きるあなたへ
 1)感情を味わい、見て、伝える
 2)「伝え方のセオリー」は絶対じゃない!?
 3)一瞬から永遠へ ― 顔が伝える印象・性格・将来の幸福度
 4)感情世界の未来図
 5)AIが人と人を仲介する時代が来る ― 感情調整役としてのAI

要約ダイジェスト

表情は万国共通のコミュニケーション・ツール

「ノンバーバル・コミュニケーション」とは、言葉そのまま「バーバル(口頭)」以外のすべてのコミュニケーションを指す。簡単に言うと、「表情」「しぐさ」「声色」「態度」などの視覚的、聴覚的なコミュニケーションのことだ。

 表情には文化差や個人差があることも知られているが、いくつかの表情に関しては万国共通であることが知られている。つまり、感情と表情との間には進化生物学的な基盤を持つ1対1の関係があり、性別、年齢、文化、民族、宗教を超えて同じ感情には同じ表情筋が動くのだ。

 最初にこのことを提唱したのはかのチャールズ・ダーウィンで、提唱後、100年以上かけて理論が精緻化されていった。例えばエクマンの有名な研究では、西洋文明の影響を受けていない部族の人々にアメリカ人の表情写真を見せた。すると彼らはアメリカ人の表情を、これまで見たことがなかったにもかかわらず、その意味を正しく把握することができた。

 さらに興味深いことに、そこで撮影した部族の人々の表情写真を、今度はアメリカ人に見せると、彼らをこれまで見たことがなかったアメリカ人も部族の人々の表情を正しく理解できたのだ。その後もブラジル・チリ・アルゼンチン・日本・ベトナム・ポーランド・ハンガリーなど様々な文化間で同じような調査が行われたが、同じ結果が見出されている。

 現時点で明らかとなっている万国共通の表情は、幸福、軽蔑、嫌悪、怒り、悲しみ、驚き、恐怖の7個。また、

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