- 本書の概要
- 著者プロフィール
海外進出の入口となる外国語Webサイトも、ただ「日本語のサイトを翻訳すればいい」と考えるのは危険だ。住所表記などの細かい点から商品の訴求ポイントまで、日本と海外では異なる点も多いからだ。そこで本書では、海外Webマーケティングのプロが、会社の強みをベースにした情報発信戦略、BtoB取引で主流となる検索エンジンマーケティングや広告手法など、海外Webマーケティングに必須の実践的ノウハウを解説する。
著者はタイ王国領事館勤務を経て海外向けWebプロモーションに特化した企業を設立、公的機関や地方自治体、多くの企業の海外進出をサポートしてきた人物。海外Webマーケティングは、大企業だけでなく、むしろ国内で手詰まり感のある中堅中小企業にこそ必要な視点とも言える。海外進出を考える初めの一歩としてぜひご一読いただきたい。
エクスポート・ジャパン(株)代表取締役CEO。1967年徳島県生まれ。関西学院大学文学部を卒業後、90年、大手食品メーカーに入社。その後、ボクシングでプロライセンスを取得し、プロのリングで3戦を経験。引退後の95年、タイ王国大阪総領事館商務部(タイ国政府貿易センター)に勤務し、日本市場調査や貿易関連のビジネスマッチング業務を担当した後、神戸大学大学院(経営学研究科)に社会人入学。
在学中の2000年にエクスポート・ジャパン株式会社を設立し、代表取締役に就任。海外向けに特化したWebプロモーション企業の草分けとして、東大阪の中小企業を世界に売り込むプロジェクトや日本の観光資源を世界に紹介する活動で多数の実績を上げる。同社の正社員は、フランス、スペイン、中国、日本などの多国籍で構成され、各産業分野のトップ企業と自治体・政府機関などを顧客にもつ。また、月間150万人以上が訪れる訪日・在日外国人向けポータルサイトであるジャパンガイドの取締役も兼務。2012年にQR Translatorを運営する株式会社 PIJINの代表取締役に就任。
1章 商圏を世界に拡げるということ
2章 成果を出す海外向けサイトはこうしてつくる
3章 国と言語の違いを乗り越える実践
4章 効果的な運用とプロモーションのために
5章 成功事例に学ぶ世界市場の攻め方
おわりに
要約ダイジェスト
「翻訳するだけ」では成果は上がらない
インターネットと、世界共通語としての英語の普及で、たとえ中小企業であっても、きらりと光るものがあれば、世界のマーケットを開拓するチャンスが生まれている。具体的には、自社の「外国語Webサイト」から自社独自の情報を正しく伝えていくことが、グローバルビジネスの入口となる。
一般的に起こっている、最も基本的な間違いは、単に「日本語のサイトを英語に翻訳すればいい」というものだ。特に多いのが、日本語サイトからテキストだけを翻訳して日本語サイトと同じフォーマットでつくる方法だが、この方法では文字コードやフォント設定での不具合はもちろん、制作した外国語サイトによって「信用を落としてしまう」ことが起こり得る。
簡単な例を挙げれば、海外からの引き合いを受け付ける記入フォームで、