『実践するオープンイノベーション』
(トーマツ ベンチャーサポート/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 ビジネス環境の変化による「自前主義」の限界から、近年日本でも大企業とベンチャー企業などとの協業によりイノベーションを起こそうとする「オープンイノベーション」が注目を集めている。ではその実践にあたり、何から始めればよいのか。本書は、オープンイノベーション導入のための仕組みや組織風土のつくり方を解説し、そんな疑問に答える実践的な一冊だ。
 
 著者はベンチャー企業のピッチイベント「モーニングピッチ」なども開催し、大手企業とベンチャー企業の協業サポートに実績のあるトーマツ ベンチャーサポート(現・デロイト トーマツ ベンチャーサポート)。自社のリソースを整理し、そもそも何を目的としてオープンイノベーションに取り組むか、協業対象をどうやって選定するか、ハッカソン・アイデアソン、ビジネスコンテスト、事業提携、M&Aなど、目的に応じてどの仕組みを選定するかなどを段階を追って明らかにする。

 また、ヤマハ、オリンパス、NTTデータ、東急電鉄など、オープンイノベーションを推進する企業の担当者インタビューも多数掲載されており、社内の無理解といったリアルな課題の乗り越え方も示されている。企業の持続的成長には、既存事業の成長と新規事業の発展両輪が必須となる。その意味で、一読すれば、オープンイノベーションという手段を採用するか否かにかかわらず、新規事業担当者から経営者まで多くのイノベーションのヒントが見つかるはずだ。

著者:トーマツ ベンチャーサポート
 デロイト トーマツ グループに属し、全国約3,000社のベンチャー企業に対する成長支援を中核業務とする。そのネットワークを生かし、大手企業に対するベンチャーとの協業による新規事業創出支援、官庁および全国自治体によるベンチャー政策の立案・実行支援を手掛ける。2017年9月1日に「デロイト トーマツ ベンチャーサポート」に社名変更。
はじめに
Chapter1.日本企業のオープンイノベーションはなぜうまくいかないのか?
Chapter2.オープンイノベーションを受け入れる土壌づくり
Chapter3.オープンイノベーションの仕組みを構築する
Chapter4.オープンイノベーションの仕組みを軌道に乗せる
Chapter5.ベンチャー企業とうまく連携する
Chapter6.取り組み始めた業界の現状を知る
おわりに これからのオープンイノベーション

要約ダイジェスト

日本企業のオープンイノベーションはなぜうまくいかないのか?

 今、日本企業の間ではオープンイノベーションの機運が高まりを見せている。その背景には、大きな市場の変化がある。まず、企業は成熟した市場の中で、自社が持つアイデアや技術だけに頼る「自前主義」の開発では新たなニーズを開拓できず、成長が限界に来ている。

 そこに、デジタル技術の発展により、従来の常識を覆す全く新たなライバルが様々な業界で次々に誕生している。こうした中、大企業は、ベンチャー企業や大学といった社外から新たなアイデアを取り入れ、社内の活性化を目指すようになってきた。この取り組みこそ、オープンイノベーションと呼ばれるものだ。

 だが、日本は世界と比べるとオープンイノベーションの推進で大きく出遅れている。海外企業の場合は、

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