『現代語訳 学問のすすめ』
(河野英太郎/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 福沢諭吉の『学問のすすめ』といえば、明治時代に多くの若者を奮い立たせ、当時の人口の 10人に1人手に取ったといわれる大ベストセラーとして、日本人で知らない人はほとんどいない。だが冒頭の一節があまりにも有名なために、その続きの内容を深く理解している人は多いとは言えない。

 実は、その内容は「平等」を謳うだけでなく、自己啓発や出世、人材育成や責任感など仕事術に関する記述も多く、ビジネス書として十分に成り立つ内容なのだ。ただし原著は文語体に近く、挙げられている事例も当時のものであるため、主張の本質を捉えにくい部分がある。そこで 100万部突破のベストセラー『99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ』の著者が、ビジネスパーソンのためにわかりやすく現代語訳したのが本書だ。

 カルチャーやビジネス、テクノロジーなど、本文中にあえて現代人になじみのある言葉を置いたり、自分事としてとらえられるよう欄外にわかりやすい解説を加えるなど、理解しやすい工夫が随所になされている。それでいて、原著から省いた部分はほとんどない。言葉や事例がわかりにくいからといって読まないでいるのは、もったいない。本書はそんな著者の意図が表現された 1冊だ。文明開花の時代に書かれた本書は志高く熱いメッセージに満ちている。ぜひその「熱」を感じてみていただきたい。

著者:福澤諭吉(フクザワ ユキチ)
 1835年中津藩士の家に生まれる。教育者、思想家、実業家。慶應義塾の創始者。学問に秀でていたため、後に幕臣として取り立てられ欧米への視察を経験。その見聞を活かし数々の著作を出版、各種事業を起こすなど幕末・明治期の日本の文明化をリードした。1万円札の肖像画のモデルとしても知られる。著書に『西洋事情』『文明論之概略』『福翁自伝』などがあり、『学問のすすめ』は1872年(明治5)年から1876(明治9)年にかけて出版された。1901年没。

著者:河野英太郎(コウノ エイタロウ)
 1973年岐阜県生まれ。日本アイ・ビー・エム株式会社。東京大学文学部卒業。同大学水泳部主将。グロービス経営大学院修了(MBA)。大手広告会社、外資系コンサルティングファーム等を経験。2002年以降日本アイ・ビー・エム株式会社にて、コンサルティングサービス、人事部門、専務補 佐、若手育成部門リーダー、サービス営業などを歴任し、現在コグニティブ技術を活用した人材系ソリューションKenexa(ケネクサ)の日本展開担当。著書に累計 110万部を突破した、『99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ』『99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ』(以上ディスカヴァー)、監修書に『世界のエグゼクティブが学ぶ 誰もがリーダーになれる特別授業』(翔泳社)がある。
Twitter:@eitarokono
Blog://eitarokono.hatenablog.com/

初編 学んだ人から出世する
二編 個人と組織は対等
三編 全員が当事者意識を持つチームは強い
四編 まずは自分から変わりなさい
五編 一人ひとりが「独立心」を持つ
六編 ルールを守る
七編 全員がメンバーでありリーダー
八編 他人を尊重し自分も自由になる
九編 お金のためだけに働かない
十編 現状に満足しない
十一編 無意味な上下関係はいらない
十二編 学んだら行動に移す
十三編 人の自由を奪わない
十四編 失敗を生かす
十五編 疑問を持つ
十六編 他人の価値観に惑わされない
十七編 自分ブランドをつくれ

要約ダイジェスト

学んだ人から出世する

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」とは、すべての人は生まれたときから、身分の上下なく、同じ権利を持ち、お金持ちもそうでない人も平等ということだ。だが、世の中を見渡すと、賢い人もいれば愚かな人もいて、貧乏人もいればお金持ちもいる。

 この差がついた理由は、実ははっきりしている。『実語教』には「人は学ばなければ知恵がつかない。知恵がない人は愚かである」と書かれている。つまり賢い人と愚かな人は、

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