- 本書の概要
- 著者プロフィール
著者が安岡正篤から教えられた帝王学には3つの柱がある。①原理原則を教えてもらう師をもつこと、③直言してくれる側近をもつこと、③よき幕賓(ばくひん※アドバイザー)をもつことである。「昔は通用したが、今は通用しない、というのでは原理原則の価値はない」と述べられているように、本書では上記3つを軸に、東西の古典の箴言、日本の政財界の先人達のエピソードをひも解き、普遍的な原理原則を明らかにする。
1979年の発行以来 20万部を超えるロングセラーとなっており、経営者や組織リーダーはもちろん、いかにリーダーを見極める目を養うかという観点からも役立つ本書の内容は古びていない。もちろん、昭和の財界人らのエピソードなどは古さを感じさせるが、逆に、現代ではあまり見られないほどスケールの大きな言動にも刺激を受けるはずだ。権力を志向する、しないにかかわらず、人間を知るための書としてぜひご一読いただきたい。
1926年名古屋生まれ。旧満州国立建国大学七期生。中部経済新聞記者。雑誌『財界』副主幹を経て評論家となる。1980年逝去。主な著書に『一言よく人を生かす』(生産性本部)『伊藤肇の人間対談』(経済往来社)、『男からみた男の魅力』(産業能率短大出版部)『経営者をささえる一言』(地方銀行協会)『喜怒哀楽の人間学』(PHP研究所)『十八史略の人間学』(プレジデント社)など。
第一章 原理原則を教えてもらう師をもつこと
第二章 直言してくれる側近をもつこと
第三章 よき幕賓をもつこと
要約ダイジェスト
帝王学の三つの柱
学問は人間を変える。そしてその人間とは他人のことではなく、自分自身のことである。他人を変えようと思ったら、まず、自分を変えること。ここから「修己治人の学」つまり「帝王学」が生れた。「帝王学」というと「保守反動の塊」と誤解する向きもあるが、そうではなく、「上に立つ者が身につけておらなければならぬ学問」、つまり「人間学」である。
「帝王学」には三つの柱がある。第一の柱は「原理原則を教えてもらう師をもつこと」。第二の柱は「直言してくれる側近をもつこと」である。第三の柱は「よき幕賓(ばくひん)をもつこと」だ。「幕賓」とは、帝王を好きではあるが、