『日本電産流「V字回復経営」の教科書』
(川勝宣昭/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 創業から現在まで 50数社を買収し、そのほとんどを 1年以内に黒字化させてきた日本電産。本書はその徹底した再建手法を余すところなく解説した一冊だ。著者は、永守重信社長の元で買収先の再建に携わり、現在は経営コンサルタントとして活躍する川勝宣昭氏。著者は日本電産の採用面接で、同社が急成長している秘密は何かを問うたという。

 永守重信社長から「そんなものはない。これだけや」と渡された会社案内に書かれていたのが「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」の 15文字だった。「すぐやる」は“スピード”、「必ずやる、できるまでやる」は“徹底”を意味している。著者によれば、永守流経営の真髄はリーダーシップ、メソッド、カルチャーの 3つだ。特に「徹底とスピード」の企業カルチャーは全社に浸透し、再建業務もまず企業カルチャーの変革から始まるという。

 なぜなら、まず社員の意識が変わらない限り、メソッドや戦略が生きることはないからだ。多くの企業が他社で成功したメソッドを導入しても、定着させられずに終わってしまう理由もここにある。本書では、こうした日本電産流の営業力強化や意識改革、コストダウンメソッドまで、図表やテンプレートを多用しながら実践的に解説する。経営者はもちろん、営業力や組織力の強化を願うマネジャー層はぜひご一読いただきたい。

著者:川勝 宣昭(カワカツ ノリアキ)
 DANTOTZ consulting代表取締役。1942年三重県生まれ。1967年早稲田大学商学部卒業、日産自動車に入社。広報室、企画室、電子技術本部、中近東アフリカ事業本部部長、南アフリカ・ヨハネスブルグ事務所長などを歴任。1998年に急成長企業の日本電産にスカウト移籍。同社取締役経営企画部長(M&A担当)を経て、カリスマ経営者・永守重信氏の直接指導の下、日本電産芝浦専務、日本電産ネミコン社長を歴任。永守流「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」のスピード・執念経営の実践導入で破綻寸前企業の 1年以内の急速浮上(売上倍増)と黒字化をすべて達成。
 2008年に経営コンサルタントとして独立。現在、中小企業から一部上場までのクライアント企業に対し、「速攻型市場攻略」の経営法を指導している。著書に『日本電産永守重信社長からのファクス42枚』(プレジデント社)がある。
http://dantotz.com/
第1章 なぜ今、日本電産流経営が必要なのか
第2章 営業強化分析のメソッド
第3章 営業強化計画のメソッド
第4章 営業強化実行のメソッド
第5章 営業強化フォローのメソッド
第6章 コストダウンと利益創出のメソッド
第7章 スピードと徹底を究める
第8章 企業カルチャーを変革する

要約ダイジェスト

「スピード」と「徹底」の会社にするための3条件

 同じ日本の会社なのに、会社とはこんなにも違うものなのか!それが、55歳の新入社員として日本電産に入って最初に得た感慨であった。昼間に会議は全くない、永守社長に稟議書を出すとたちどころに返ってくる、全グループ会社の全部署が月に4回も月次計画のフォローをやる…、

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