- 本書の概要
- 著者プロフィール
UXとはユーザーにとっての体験価値であり、実際にアップルや Amazon、シェアリングサービスの Uberや Airbnbなど、近年急成長した企業のほとんどが、モノの価値ではなく、UXの最大化をビジネスモデルの中心に据えているという。彼らにとって既存の産業分類や業界は関係がない。ユーザーにとっては、提供企業ではなく UXが全てだからだ。
本書では、最新の事例や著者自身の実践から、企業がユーザー起点の新たな UXビジネスを創造する方法を解説。その過程で、テクノロジーとシェアエコノミーの普及によってモノ・空間・仕事・輸送の 4大リソースの共有が進む未来像が明らかになる。それは、企業のあり方から個人の働き方までを一変させる「産業革命」とも呼べるものである。
著者はアンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)を経て起業し、ロジスティクスとテクノロジーで物流改革からヘルスケア、シェアリングビジネスまでを手掛けるシーオス代表 松島聡氏。業界を問わず、未来の事業に責任を持つ経営層必読の一冊。
シーオス株式会社代表取締役社長。1969年、我孫子生まれ。東京薬科大学薬学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)在籍時に医療流通の複雑さと将来性に気づき、2000年にシーオス創業。
医療流通事業を皮切りに通信、小売、メーカーをはじめとする多業種のロジスティクスをデジタル化。日本ロジスティクス大賞など受賞歴多数。AI、IoTなどの技術面とUX(顧客体験)双方を追求した新サービスを生み出し、現在はロジスティクスにとどまらず、企業・個人向けのシェアリングビジネス、スポーツ・アクティビティー事業も牽引。自走式ロボットによる自動マップ作製、ドローンによる自動棚卸、空きスペースの自動認識ほかの研究開発でも注目を集めている。
1章 垂直統制型から水平協働型へ
2章 あらゆるリソースが IoTでつながる
3章 UXビジネスにどう移行すべきか?
4章 シェアリングエコノミーを支える IoT
5章 UX創造のビジネス戦略
6章 UXビジネスの障壁
終章 ネクスト・メイン・フィールドへ
要約ダイジェスト
垂直統制型から水平協働型へ
ビジネスの分野では「シェアリング」というスタイルが急速に広がりを見せている。シェアリングとは、カーシェアリングなど、モノを所有するのではなく共有することだ。その奥にはこれまで資本主義経済を支えてきた価値観を根底から覆す可能性が秘められている。
もうひとつ、経済のあり方を大きく変える可能性を秘めているのがフリー・エコノミーだ。たとえば太陽光発電によって生みだされる電気は、普及によってシステムのコストが劇的に下がり、