『ビジネス現場で役立つ 経済を見る眼』
(伊丹敬之/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 本書は「複雑な数式を使う学問」といった経済学が持たれがちな固いイメージを払拭する経済学入門書である。「なぜ景気は変動するのか?」「日本経済はどうすれば復活できるか」といった素朴な疑問を丁寧に解き明かすことで、経済の中の「人間臭い面」を読み取る「経済を見る眼」を養うことができる。

 著者は、経営学者として多数の著書を持つ一橋大学名誉教授、伊丹敬之氏。経営学や企業研究を専門とする著者が本書を著した理由は、企業活動はマクロ経済のなかでの経済活動の一つだからである。そのため著者は、マクロ経済や産業、市場メカニズムや為替が企業に与える影響についても考えを深めてきた。本書はそうした蓄積が結実した一冊だ。

 著者は経済学とは「人間の研究」に他ならないとして、「カネ」「情報」「感情」の 3つを総合的に見ることの必要性を説く。例えば日本経済にとっては、失われた 20年で冷え込んだ人々の心理的エネルギーをいかに高めるかがカギとなり、そのためには少子高齢化を逆手に取った方策が考えられるという。

 複雑な理論を排して、身近な現象から解説しているため、経済現象と企業活動の接続が臨場感を持って理解できる 1冊となっている。経済学を今まで敬遠してきた方でも興味深く読み進められる企業人のための経済学入門として、ぜひご一読いただきたい。

著者:伊丹 敬之(イタミ ヒロユキ)
 1945年愛知県豊橋市生まれ。一橋大学商学部卒業。カーネギーメロン大学経営大学院博士課程修了(Ph.D.)。一橋大学大学院商学研究科教授、東京理科大学大学院イノベーション研究科教授を歴任。一橋大学名誉教授。2005年11月紫綬褒章を受章。
 主な著書に『経営戦略の論理〈第4版〉』『日本企業の多角化戦略』(共著、日経・経済図書文化賞受賞)、『日本型コーポレートガバナンス』『孫子に経営を読む』『現場が動き出す会計』(共著)、『人本主義企業』(以上、日本経済新聞出版社)、『場の論理とマネジメント』『経営を見る眼』(以上、東洋経済新報社)、『本田宗一郎』(ミネルヴァ書房)、『高度成長を引きずり出した男』(PHP研究所)がある。
第1部 素朴な疑問
第2部 マクロ経済を考える
第3部 市場メカニズムを考える
第4部 日本の産業を考える
第5部 経済を見る眼を養う

要約ダイジェスト

経済を見る眼を養う

 この本は、経済学の理論を解説する本ではない。そうした理論を考える前に、経済現象をどのような視点で考えるのが適切か、その「経済を見る眼」についての本である。人間臭い「経済を見る眼」をもつようにすると、数式を使える経済の分野(経済の中でも案外、限定的である)よりもさらに広く、

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