『爆速経営 新生ヤフーの500日』
(蛯谷 敏/著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次(主要)
 「爆速経営」、「10倍挑戦して、5倍失敗して、2倍成功する」などのフレーズでも話題を呼んだ「新生ヤフー」の改革劇を、宮坂新CEOの就任から約1年半に渡り追った企業変革ドキュメンタリー。創業以来16年間増収増益という好業績を誇るヤフーが、実は深刻な大企業病に陥っている、という元社員による孫正義氏への直訴から、この改革は始まったという。

 孫正義氏と井上雅博前社長、宮坂新CEOによる経営陣の刷新、ミッション、戦略、人事制度まで一貫した改革劇は、さながら企業小説を読んでいるようだが、すべて事実である。また、直近でEC業界を騒然とさせたヤフーショッピングなどの一連の無料化の真意についても触れられてる。(変革の総仕上げという位置づけであり、この件を本書に掲載するため出版を遅らせたとのこと)

 ヤフーの改革の成否の判断はこれからではあるが、新体制下1期目の2013年3月期は、6年ぶりとなる2ケタ営業増益など、非常に順調な初速となっている。ビジネスの面白さ、醍醐味を再確認できる血湧き肉躍るドキュメンタリーとなっており、ウェブ業界の方だけでなく、仕事に熱い想いを持つ多くのビジネスパーソンにもお薦めしたい一冊である。

著者:蛯谷 敏(エビタニ サトシ)
 日経ビジネスDigital編集長。2000年慶應義塾大学総合政策学部卒業、日経BP社入社。入社後は通信業界誌「日経コミュニケーション」の記者として通信業界を担当し、2006年から「日経ビジネス」に所属。2012年9月より現職。
まえがき
1章:革命前夜 ヤフーが一番つまらない!
2章:電撃指名 53番目の社員に託された命運
3章:改革始動 まず、登る山を決める
4章: 前例破壊 異業種タッグが既成概念を壊す
5章:爆速誕生 “言霊”が組織を動かす
6章:再活性化 見られるからこそ社員は輝く
7章:試行錯誤 「!」を生み続ける組織へ
あとがき
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Check Point

5,000人の成熟企業が1年で変貌を遂げた

 ヤフーの変化はどうやら本物らしい――ヤフーの経営陣が交代してからというもの、証券会社のアナリストの間では、ヤフーの変貌ぶりがしばらく挨拶代わりになっていた。

 それは「成熟企業」と思われていた5,000人規模の大組織が1年で明らかに変わった、という驚きによるところが大きい。もちろん課題はまだ山積しており、出資・提携の成果も、新サービスの開発も、真価が問われるのはこれからだ。

 そうだとしても、ヤフーはいかにして業績、協業、サービス、そして社内の雰囲気を一変させることができたのか。宮坂新CEOの組織改革は大きく次の3つのステップに集約される。

  • 「理念」の再定義
  • 「明確な目標」の設定
  •   設定した目標を達成するための具体的な戦略を定め、それを戦術に落とし込む

 宮坂改革のステップは決して意外性のあるものではない。むしろ定石に即した手法である。だからこそ、そのプロセスは他の組織を変えようとするリーダーの参考になり得るのだ。

 宮坂がヤフーを改革するうえで最も難しいと感じていたのは、

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