『大前研一ビジネスジャーナル No.6』
(「教える」から「考える」へ)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 日本を代表する経営コンサルタント大前研一氏が、グローバルなビジネストレンドや旬のビジネスモデルを経営者層向けに語る『大前研一ビジネスジャーナル』シリーズの第6弾。本号では「教える」から「考える」へ移行しつつある「世界の教育トレンド」と「日本人の海外シフト」を特集し、「世界に通用する人材」とは何かに迫る。

「詰め込み型」教育の弊害はこれまでにも指摘されているが、ゆとり教育とその揺り戻しを経て、現在の日本の教育は中途半端なものになっている。大前氏によれば、すでにある答えにいかに早く到達するかを競う「詰め込み型」では、もはや人口に勝る新興国には勝てない。そこで参考にすべきは、フィンランドなど北欧型の「考える」教育だという。

 これは「答え」を与えるのではなく、答えのない問題に取り組むなかで、自分なりの答えを考え、周囲と合意形成していく術を学ぶ教育だ。そのようにして、子供の平均点ではなく、強みを引き上げていくことでしか、世界に通用する人材は育成できないのだ。

 また、その結果、世界で活躍する人材を次々輩出するアジアや欧米諸国、一方で国外に目が向きづらい日本人の現状には、危機感すら覚えるのではないだろうか。子供に対する教育は広い意味で人材育成にもつながる点が多々ある。親の立場だけではなく、マネジャー、経営者の視点からも、多くの示唆がある一冊だ。

著者:大前 研一(オオマエ ケンイチ)
 1943年、福岡県若松市(現北九州市若松区)生まれ。早稲田大学理工学部卒業。東京工業大学大学院原子核工学科で修士号、 マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。経営コンサルティング会社マッキンゼー& カンパニー日本社長、本社ディレクター、アジア太平洋地区会長等を歴任。94年退社。96 ~ 97年スタンフォード大学客員教授。97年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院公共政策学部教授に就任。現在、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長。オーストラリアのボンド大学の評議員 (Trustee)兼教授。また、起業家育成の第一人者として、05年4月にビジネス・ブレークスルー大学大学院を設立、学長に就任。2010年4月にはビジネス・ブレークスルー大学が開学、学長に就任。02年9月に中国遼寧省および天津市の経済顧問に、また10年には重慶の経済顧問に就任。04年3月、韓国・梨花大学国際大学院名誉教授に就任。
 「新・国富論」「新・大前研一レポート」等の著作で一貫して日本の改革を訴え続ける。『原発再稼働「最後の条件」』(小学館)「洞察力の原点」(日経BP社)「日本復興計画」(文藝春秋)「『一生食べていける力』がつく大前家の子育て」(PHP研究所)、「稼ぐ力」(小学館)、「日本の論点」(プレジデント社)など著書多数。
1.インタビュー/大前研一 「教えられる」ではない教育/いかに人生をデザインするか
2.セミナー/大前研一 世界の教育トレンド
3.セミナー/大前研一 日本人の海外シフトの現状と課題
4.連載/松本孝利×大前創希 インターネットが普通名詞になった日【後編】

要約ダイジェスト

21世紀、答えのない時代の教育

 いま日本の国家戦略を考える上で一番大切な問題は教育だ。だが、世界に通用する人材をいかに育てるかにおいて、日本の教育は大きな問題を抱えている。第二次世界大戦後は、工業国としての発展を目指し、クオリティの高い人材を一斉に育てて産業界に提供する、いわば「大量生産型」のやり方が大成功した。

 大量生産型教育の特徴は、どこか別の国、他の誰かがすでに出している答えをいかに早く覚え、

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