『最高の戦略教科書 孫子』
(守屋淳/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
『孫子』は約 2500年前に完成した兵法書だが、国内外問わず、孫正義やビル・ゲイツといった著名経営者からスポーツの名監督と呼ばれる人たちまで強い影響を与えてきた。それは、『孫子』の著者とされる孫武の生きた過酷な時代が、先の見えない現代のビジネス環境に通ずる「方向性の感覚」と「競争状態での原理原則」を教えてくれるからである。

「不敗」と「短期決戦」という戦いの原則や、「詭道(だましあい)」の考え方などに代表される原理原則は、今なお貴重な示唆がある。だが、古典を読むときには、現代とは前提条件が異なるため、抽象度を上げて考える必要がある。すると、『孫子』の記述に対し、ここは現代には適用できないのではないか、といった疑問も出てくる。

 本書では、第Ⅰ部でまず『孫子』の内容、第Ⅱ部で読者の疑問に答えるかたちで現代への応用方法を考えていくため、読者は消化不良にならずに読み進められる。400ページ近い骨太な内容だが、言葉の背景知識までわかりやすく語られ、通読が苦にならないはずだ。

 著者は中国古典研究家であり、古典の知恵を現代に活かす方法をテーマとした執筆や研修・講演などに定評がある守屋淳氏。企業の生存競争が激しい現代だからこそ、戦国時代を生き抜いた知恵が皮膚感覚として痛切に感じられる一冊だ。経営者をはじめすべてのビジネスパーソンにぜひご一読いただきたい。

著者:守屋淳(モリヤ アツシ)
 作家、中国古典研究家。1965年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大手書店勤務を経て、現在は中国古典、主に『孫子』『論語』『老子』『荘子』『三国志』などの知恵を現代にどのように活かすかをテーマとした執筆や、企業での研修・講演を行う。
 主な著・訳書に『現代語訳 論語と算盤』(ちくま新書)、『ビジネス教養としての「論語」入門』『図解 最高の戦略教科書 孫子』(日本経済新聞出版社)など。
I部 『孫子』はそもそも何を問題とし、何を解決しようとしたのか
 第一章 百戦百勝は善の善なる者にあらず
 第二章 敵と味方の比べ方
 第三章 戦いにおける二つの原則――不敗と短期決戦
 第四章 兵は詭道なり
 第五章 情報格差のある状況での戦い方――各個撃破と急所
 第六章 情報格差が作れないときの戦い方 1主導権と裏の読みあい
 第七章 情報格差が作れないときの戦い方 2無形と勢い
 第八章 自国内での戦い方――地形とゲリラ戦
 第九章 勝は度から導き出される
 第十章 勝てる組織と将軍の条件
 第十一章 情報を制する者は戦いを制す

II部 『孫子』の教えをいかに活用するか
 第十二章 そもそも人生やビジネスに、戦いなんて必要ないのではないか
 第十三章 そもそも戦略と戦術とは、どう違うのか
 第十四章 試行錯誤ばかりしていたら心が折れそうなんですけど
 第十五章 ジリ貧状態では、不敗なんて守っていられないのではないか
 第十六章 相手の急所をつけば、すぐに決着などついてしまうのではないか
 第十七章 詭道やだましあいなんて、品性下げそうでいやなんですけど
 第十八章 「各個撃破」なら勝てるのに、なぜ「選択と集中」では失敗するのか
 第十九章 追いつめる以外の「勢い」の出し方はないのか
 第二十章 弱者はどのように振る舞えばよいのか

要約ダイジェスト

百戦百勝は善の善なる者にあらず

 孫武の活躍した春秋時代末期は、ちょうど周王朝の戦乱がエスカレートした時期だった。次の戦国時代に戦乱はさらに加速し、秦の中国統一で終止符が打たれる。この間、何と約 550年間。日本でたとえれば、

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