- 本書の概要
- 著者プロフィール
そこで本書では、「唯一の正解がある」という考えから「多様なモノの見方を見つける」という考え方の変化を、西洋思想から東洋思想への移行とも関連づけて考察。検索でも出てこないアイデア、すなわち本書でいう「超仮説」にたどり着くためのコツ、トレーニング法を数多く紹介している。
多くのエクササイズが用意されているため、読みながら多角的なモノの見方を鍛えることができ、一読すれば、この「ビジネス版禅問答」と呼べるエクササイズが、従来の考え方で固まった頭の中を、解きほぐしてくれるような感覚が得られるはずだ。
著者の高野研一氏は、人材・組織コンサルティング分野で著名なコーン・フェリー・ヘイグループ株式会社の社長を務め、多業種にわたる豊富なコンサルティング経験を擁する人物。MBA的なフレームワーク思考の限界を感じている方や発想力を磨きたい方はもちろん、経営、企画、新規事業に携わる方はぜひご一読いただきたい。
コーン・フェリー・ヘイグループ株式会社代表取締役社長。1987年3月 神戸大学経済学部卒業。91年6月 ロンドン・スクールズ・オブ・エコノミクス(MSc)修了。92年6月 シカゴ大学ビジネススクール(MBA)修了。日本の大手銀行でファンドマネジャーなどを経験した後にコンサルタントに転進。現マーサー・ジャパン取締役などを経て、2006年10月にヘイ コンサルティング グループに参画。2007年10月より代表取締役社長に就任。2016年5月、ヘイグループとコーン・フェリーの統合にともない、現職に就く。
日本企業の経営改革とグローバル化を支援。特に、コーポレートガバナンス、ビジネスリーダーの育成とアセスメント、グループ経営、組織・人材マネジメントに関する戦略・実行支援などに豊富な経験を持つ。コーン・フェリー・ヘイグループでは、日本・韓国のマネジメントを担う。著書に、『カリスマ経営者の名著を読む』『超ロジカル思考』(以上、日本経済新聞出版社)、『勝ちぐせで組織は強くなる』『グループ経営時代の人材マネジメント』(以上、東洋経済新報社)、『ビジネスリーダーの強化書』(日本経団連出版)があるほか、講演や雑誌寄稿なども多数。
第2章 「超仮説」をたぐり寄せる力がキャリアアップを可能にする
第3章 フレームワークでなくトレーニングが重要
第4章 見えない世界にイマジネーションを広げる
第5章 非連続な変化の先を考える
第6章 視点を自分の外に移してみる
第7章 人の心の中に入り込む
第8章 オープンなエコシステムに参加する
第9章 前提条件を疑う
第10章 超仮説を立てて検証する
最終章 実践こそがすべて
要約ダイジェスト
フレームワークの罠
学歴エリートは、世の中にある様々なフレームワークを勉強し、活用してきた。3C分析、SWOT分析、SCMなど、幅広いフレームワークを習得している一方で、これらのフレームワークは、「解きやすいように問題を定義している」ことが忘れられていることが多い。
フレームワークのように「唯一の正解がある」という前提からスタートすると、最初に発見したモノの見方を唯一の解と思い込みがちだが、経営はそんなに単純ではなく、もっと立体的なものだ。学歴エリートは、