『仕掛学 ―人を動かすアイデアのつくり方』
(松村真宏/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
「仕掛け」とは、人に「ついしたくなる」感情を起こさせ、人の行動を変化させる仕組みのことだ。例えば、ついゴミを投げ入れたくなるバスケットゴールのついたゴミ箱、つい並べ直したくなる統一された背表紙のコミック…こうした事例を世界中から集め、その原理や発想法を体系化したのが、「仕掛学」(しかけがく:Shikakeology)である。

 仕掛けの原理の根底にある「強制するのではなく、自分から動きたくなるようにデザインする」という考え方は、様々な分野で役に立つ。また、運動不足やゴミのポイ捨てから、環境破壊といった社会課題まで、実は問題の多くは人の「行動」が作り出している。

 それゆえ、人の行動にアプローチする「仕掛学」は、世の中の問題の本質的な解決方法であるとも言えるのだ。著者で大阪大学大学院准教授の松村真宏氏はこうした考えのもと、人工知能研究者から仕掛学の提唱者に転じ、その普及・発展に尽力する人物。

 本書には豊富な「仕掛け」事例が紹介されており、面白く読めるだけではなく、読者も 1つ、2つ、身近な問題を解決する「仕掛け」を思いつくだろう。行動経済学や心理学的知見を含む仕掛学は、人間行動を探求する人間学そのものだ。子育てやマネジメント、マーケティング、コミュニティや顧客体験の設計などにもヒントが得られる一冊である。

著者:松村 真宏(マツムラ ナオヒロ)
 大阪大学大学院経済学研究科准教授。1975年大阪生まれ。大阪大学基礎工学部卒業。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。2004年より大阪大学大学院経済学研究科講師、2007年より同大学准教授、現在に至る。2004年イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校客員研究員、2012~2013年スタンフォード大学客員研究員。趣味は娘たちと遊ぶこと(遊んでもらうこと)。
序章 「ついしたくなる」には仕掛けがある
1章 仕掛けの基本
2章 仕掛けの仕組み
3章 仕掛けの発想法

要約ダイジェスト

行動で問題を解決する

 著者はもともと人工知能の研究者であり、コンピュータを使ってデータから意思決定に役立つ知識を発見することに取り組んでいた。しかし 2005年のある日、世の中のほとんどの事象はデータになっていないという当たり前のことに気づいた。

 立ち止まって耳を澄ませば烏のさえずりや木々の葉のこすれる音が聞こえてくるが、

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