『熱狂の王 ドナルド・トランプ』
(マイケル・ダントニオ/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 過激な発言で物議を醸しながらも、共和党大統領候補として支持を集めるドナルド・トランプ。政治経験もなく、大統領候補としての品格にも欠けるトランプが、なぜここまで健闘しているのか理解に苦しむ日本人も多いはずだ。だが、トランプの主な支持者である白人中下流層は、トランプに「アメリカ的」な希望を見出しているという。

 本書は、ピュリッツァー賞受賞ジャーナリストである著者が、トランプ本人も含む徹底的なインタビューと独自取材を元に、そんな「トランプ現象」の真実に迫った一冊だ。そこには、トランプの飽くなき上昇志向と熱狂する大衆、狡猾なビジネス手腕とメディア戦略が相まって不動産王から大統領候補にまで上りつめる「怪物」の姿が描かれている。

 一読すれば、トランプを知ることは現在のアメリカの実相を知ることに等しく、この現象が日本や欧米諸国にも起こり得ることに気づかされるだろう。トランプ台頭の理由は、オバマ現大統領の福祉偏重政策への反発や格差拡大などにも求められるが、トランプの人間性や内面に深く迫ってこそ、その本当の意味が浮かびあがってくるのである。

 本書はトランプ評伝の決定版として「ニューヨーク・タイムズ」などで絶賛され、日本語版ではより深い理解のために、アメリカ文化・政治研究の第一人者である慶応義塾大学SFC教授 渡辺靖氏の解説も付されている。ヒラリー、トランプどちらに転ぶにせよ、安保問題などで日本にも大きな影響を与える新大統領誕生の前に、ぜひご一読いただきたい。

著者:マイケル・ダントニオ(Michael D’Antonio)
 フリージャーナリスト、ライター。プルトニウム汚染の脅威を追及した『アトミック・ハーベスト』(小学館)、感染症の恐怖を描いた『蚊・ウイルスの運び屋』(共著、ヴィレッジブックス)をはじめ、これまで10冊以上の本を上梓。『Newsday』の記者時代にピュリッツアー賞を受賞。

解説:渡辺 靖(わたなべ・やすし)
 慶應義塾大学SFC教授。ハーバード大学大学院にてPh.D.(社会人類学)取得。ハーバード大学国際問題研究所アソシエート、パリ政治学院客員教授、アメリカ学会常務理事などを歴任。著書に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会/サントリー学芸賞受賞)など。

翻訳:高取芳彦(たかとり・よしひこ)
 ニュース記事を中心に翻訳・編集を手がける。訳書に『ビジネス・フォー・パンクス』『TEAM OF TEAMS』(ともに日経BP社)がある。

翻訳:吉川 南(よしかわ・みなみ)
 書籍やテレビ番組の字幕など幅広いジャンルの翻訳を手がける。訳書に『TEAM OF TEAMS』(日経BP社)、『「先延ばし」にしない技術』(サンマーク出版)などがある。

解説「ドナルド・トランプ」という怪物
はじめに
プロローグ
第1章 クロンダイクからブルックリン、クイーンズへ
第2章 少年王ドナルド
第3章 見習い時代
第4章 恐怖都市
第5章 ドナルド、ミッドタウンを救う
第6章 トランプ、タワーを建てる
第7章 セレブへの仲間入り
第8章 だまされる者の国のトランプ
第9章 運の尽き
第10章 トランプ、見世物になる
第11章 ニュー・トランプ
第12章 トランプ、出馬する
第13章 トランプ、テレビショーに出演する
第14章 「私の美点の一つは……」
第15章 その悪評は海外でも
エピローグ ドナルド・トランプを理解するために

要約ダイジェスト

人々の「恐怖」「怒り」「疑念」を利用した予備選挙

 ドナルド・トランプは、相手が言うことを聞かないと機嫌を損ねる。そして機嫌を損ねると、その相手を死んだものと見なす。「私に何かしてきたやつは、死んだのと同じだ。もう終わり。やり直しなどない。世界には何十億も人がいる。そんなやつらは必要ない」のだと。

 脅しは、昔からトランプの常套手段だ。例えば、

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2017 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集