『水力発電が日本を救う』
(竹村公太郎/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 再生可能エネルギーのなかでも、太陽光や風力、地熱発電に比べ、それほど目立たない存在の水力発電。だが、使い方によっては莫大な電力を産み出すことができる——。本書では、純国産で温室効果ガスを発生しない電力が、毎年 2兆円から 3兆円分も増加可能なことを解説、さらにこの豊かな電力が半永久的に継続でき、日本のエネルギー事情を一変させる可能性を明らかにする。

 もちろん、ダム技術の専門家として、今の日本に巨大なダムをさらに造ることはできないと、著者は誰よりもよく知っている。だが、「ダムが増やせなくても、水力発電は増やせる」のだ。それは、ダムには独特の利用法や構造があり、メンテナンスをすれば数百年もの間安く使用可能で、日本独自の自然環境は水力発電に最適だからである。

 本書においては、具体的に、どのように水力発電を活用することにより発電量を増やせるかを明らかし、日本のエネルギー政策に新たな提案が行われている。さらに、ダムはエネルギー政策に留まらず、地域振興策としての水資源の活用が期待でき、数百年にも及ぶ「持続可能」な水力発電モデル案が提示されている。

 著者は国土交通省河川局長を歴任したダムの専門家であり、『日本史の謎は「地形」で解ける』シリーズのベストセラーもある地理・地形のプロフェッショナル。日本のエネルギー戦略や地方創生に興味関心のある方はもちろん、地理、地政学や環境問題への理解を深めたい方はぜひご一読いただきたい。

著者:竹村 公太郎(タケムラ コウタロウ)
 1945年生まれ。1970年、東北大学工学部土木工学科修士課程修了。同年建設省入省。以来、主にダム・河川事業を担当し、近畿地方建設局長、河川局長などを歴任。2002年、国土交通省退官後、リバーフロント研究所代表理事を経て、現在は日本水フォーラム事務局長。著書にベストセラーとなった『日本史の謎は「地形」で解ける』(PHP文庫)シリーズなどがあるほか、養老孟司氏との共著に『本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー』(PHP新書)がある。
序 100年後の日本のために
第1章 なぜ、ダムを増やさずに水力発電を二倍にできるのか
第2章 なぜ、日本をエネルギー資源大国と呼べるのか
第3章 なぜ、日本のダムは 200兆円の遺産なのか
第4章 なぜ、地形を見ればエネルギーの将来が分かるのか
第5章 なぜ、水源地域が水力発電事業のオーナーになるべきなのか
第6章 どうすれば、水源地域主体の水力発電は成功できるのか
終章 未来のエネルギーと水力発電

要約ダイジェスト

日本のダムは水を半分しか貯めていない

 水力発電の増強というと、「ダムを増やす話なのか」という誤解をする人もいるかもしれない。だが、巨大ダムを造る時代は終わった。それでも、水力発電は増やせるのだ。実は、ダムを増やすことなく、水力発電量を 2倍、3倍に増やすことさえ可能なのである。

 その根拠を一言で答えれば「日本のダムの力は十分に発揮されていない」となる。ダムと聞けば、ほとんどの方がダム湖を思い浮かべるだろう。だが、

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2017 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集