- 本書の概要
- 著者プロフィール
2016年に 14年目を迎えた同番組だが、初期にはパチンコ番組と間違えられるなど、取材には多くの苦労が伴ったという。また、ドキュメンタリーという性質上、取材テーマに「鮮度」が求められる一方、長期取材した企業のプロジェクト頓挫や不祥事などで放送できなくなることもある。つまり、結末は取材する側にも最後までわからないのだ。
そうしたときに必要なのが、日々の情報収集から今後の世の中にインパクトを与えるであろうテーマの「兆し」をとらえ、その兆しを具体的なメッセージとして視聴者に伝える力だ。本書では、そうした報道プロデューサーの企画・発想術に始まり、取材対象との関係性や人脈構築術にまで迫っている。
一読すれば、毎週滞りなく放送されている番組の裏側で奮闘する、プロフェッショナルの仕事に驚かされるはずだ。また、商品・サービスや会社を世の中にアピールするヒントも多数見つかるだろう。企画や営業、広報・PRなどに携わるビジネスパーソンはもちろん、メディア業界関係者・志望者にもぜひご一読いただきたい。
1990年テレビ東京に入社。営業局に配属。98年に報道局経済報道部に、2000年から報道局ニュース取材部に移り国会担当キャップに。『ガイアの夜明け』立ち上げに参画し、02年はディレクターとして、03年下半期からプロデューサーを約6年間務める。11年10月から『ガイアの夜明け』チーフ・プロデューサー。 15年7月から『ワールドビジネスサテライト』プロデューサー。
第一章 まだ見ぬ“現実”を撮りにいく
第二章 まだ見ぬ“シーン”を描いていく
第三章 まだ見ぬ“関わり”をつくっていく
おわりに
要約ダイジェスト
現実は取材をしてみなければ分からない。それでも…
「社内改革の旗ふり役であった社長自身が解任された」「会社自体が社会的に大きな不祥事を起こした」、これは取材を進めていた企画が途中で中止になった理由の一部だ。私たちドキュメンタリーの取材者は、「これは面白くなりそうだ」「世の中に伝えなければならないことだ」という“兆し”や“可能性”を感じ、取材に向けて走り出す。
番組の最終的な内容は取材をしてみなければ分からないが、「なぜ先が見えない話なのに、重要だと思うのか?」という問いに、「勘です」としか答えられないのなら、仕事ではない。世の中にとって重要なテーマになるという“兆し”をとらえて取材に動かなければならない。
『ガイアの夜明け』の特性は「日本、