『2050 近未来シミュレーション日本復活』
(クライド・プレストウィッツ/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 2050年、日本の人口は 1億 4,000万人まで増加し、経済成長率 4.5%、国家債務は GDP比 50%まで縮小。女性の就業率は 85%を超え、企業役員の半数は女性、さらに、日本製ロボットや医療機器、クリーンエネルギーなど様々な分野のイノベーションでも世界のトップを走っている——本書で描かれるのはこんな驚くほど大胆でバラ色の予測だ。

 楽観的すぎる予測に思えるが、著者であるクライド・プレストウィッツ氏はこうした未来は日本が構造改革に本気で着手すれば実現可能であると説く。逆にいえば、このまま日本が変わらなければ、正反対の未来が待っているのだ。本書では、前述の 2050年の姿から逆算して、現在の日本の課題を分析、日本が進むべき道を近未来小説風に示している。

 著者はレーガン政権で商務長官特別顧問を務め、80年代の日米貿易摩擦時には「ジャパン・バッシャー(日本叩き)」として知られた知日派論客。日本の衰退は、米国をはじめとする世界情勢を不安定な状況に陥れてしまうと気づいたことが本書執筆の動機となったという。日本の復活には世界の利害がかかっているのだ。

 著者は明治維新や戦後復興と同様、外圧があれば日本は変われると説くが、実行するのは日本人自身だ。少子高齢化、安全保障、女性雇用、英語公用語化、日本型経営、エネルギー対策まで、丁寧な現状分析と海外事例も多く、政治経済に詳しくない方でも、日本の将来を考える上で大いに参考になるはずだ。ぜひご一読いただきたい。

著者:クライド・プレストウィッツ(Clyde Prestowitz)
 1941年米国デラウェア州生まれ。スワスモア大学卒業、ハワイ大学東西センターで修士課程(極東アジア地域・経済学専攻)修了、ペンシルベニア大学ウォートン校で経営修士課程修了。その間、慶應義塾大学にも留学。初めて来日したのは1965年、それ以降1970年代にも再度外資系企業役員として日本に滞在する。国務省勤務、民間企業勤務などを経て、1981年商務省に入り、86年までの間、レーガン政権で商務長官特別補佐官などを務め、自動車や半導体などの日米貿易交渉をはじめ中国、ラテンアメリカ、ヨーロッパ諸国との数々の貿易交渉にあたる。
 現在、経済戦略研究所(Economic Strategy Institute)所長。太平洋経済委員会の副議長や、上院議員時代のヒラリー・クリントン氏の貿易・通商アドバイザーも務めた実績がある。日米貿易摩擦時に辣腕対日交渉担当官として鳴らし、テレビ・新聞・雑誌などで日本に多数の提言を行っている。著書にベストセラー『日米逆転』(ダイヤモンド社)、『ならずもの国家アメリカ』(講談社)、『東西逆転』(日本放送出版協会)などがある。

監訳:村上 博美(ムラカミ ヒロミ)
 ワシントンDC経済戦略研究所(Economic Strategy Institute)シニア・フェロー、米国戦略国際問題研究所(CSIS)グローバルヘルス・ポリシーセンター兼任フェロー、日本医療政策機構理事。2015年からJapan Institute for Social Innovation and Entrepreneurship (JSIE)パートナー。米国ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)や政策研究大学院大学にて講義や政策分析プロジェクトを担当。専門は産業政策、イノベーション政策、国際保健政策。上智大学理工学部卒業。St. Mary’s大学国際経営学修士、米国ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)国際関係論博士。

翻訳:小野 智子(オノ トモコ)
 日本女子大学家政学部住居学科卒。設計事務所勤務ののち、渡米。独・英を経て帰国後、理工系英文学術誌編集、翻訳会社勤務を経て翻訳者の道へ。共訳書に、ノーベル平和賞受賞者バーナード・ラウンの『生存のための処方箋』(第20回IPPNW世界大会実行委員会)をはじめとして、ナショナル ジオグラフィック協会『最高の休日 世界の美しい都市』、ダニエル・スミス『絶対に行けない世界の非公開区域99』『絶対に見られない世界の秘宝99』『絶対に明かされない世界の未解決ファイル99』(日経ナショナル ジオグラフィック社)などがある。ノンフィクションを中心に仕事の幅を広げている。

第1章 2050年東京
第2章 2017年危機
第3章 パックス・パシフィカ-太平洋の平和
第4章 女性が日本を救う
第5章 バイリンガル国家、日本
第6章 イノベーション立国
第7章 エネルギー独立国
第8章 日本株式会社から日本型「ミッテルシュタンド」へ
第9章 「インサイダー」社会の終焉
第10章 民尊官卑の国へ

要約ダイジェスト

2050年東京

 物語は 2050年に始まる。日本はすでに完全なる再生を果たした。技術や芸術、ビジネスやイノベーション、そしてクリーンエネルギーなど、さまざまな分野で世界トップを走っている。世界中の学生たちが目指すのは、もはやハーバードやスタンフォードでなく、東京大学や京都大学となっていた。

 世界中の患者たちが押し寄せているのは、

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2017 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集