- 本書の概要
- 著者プロフィール
例えば、起業においては、会社をやめるなどして退路を断つよりも、実は本業を継続しながら副業的に始めたほうが成功の確率が高いことが調査によって明らかになっている。本書ではそうした誤った常識に流されず、「普通の人」が独自のアイデアを思い付き、周りを巻き込んでそれを実現するまでの正しい道のりが描かれている。
その内容は、筋のいい斬新なアイデアを見分ける方法、自分の直感を信じるべきときとそうではないときの違い、成功には「タイミング」が重要であること、仕事やアイデアを「先延ばし」することが大きな成果につながることなど多岐にわたり、400ページ近い大著ながら全ページ興味深く読み進めることができるだろう。
著者はペンシルバニア大学ウォートン校で同大学史上最年少の終身教授を務める組織心理学者で、前作『GIVE & TAKE』が世界的ベストセラーとなった人物。事業や組織でオリジナリティを発揮して活躍したい読者にとって、前作同様、科学的裏付けを現実のビジネスに当てはめた本書は、多くの示唆を与えてくれるはずだ。
ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。1981年生まれ。同大学史上最年少の終身教授。『フォーチュン』誌の「世界でもっとも優秀な40歳以下の教授40人」、世界でもっとも重要なビジネス思想家50人(「THINKERS50」)のうち一人に選ばれるなど、受賞歴多数。デビュー作『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』(三笠書房)は31カ国語で翻訳され、全世界で大ベストセラーに。続く『ORIGINALS』も『ニューヨーク・タイムズ』紙でビジネス書の売上第1位、アマゾンUSでも第1位(企業文化)を獲得
解説:シェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)
フェイスブック最高執行責任者 COO、リーンイン.org創設者
監訳:楠木 建(クスノキ ケン)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)教授。経営学者。1964年東京生まれ。専門は競争とイノベーション。
1.変化を生み出す「創造的破壊」―「最初の一歩」をどう考えるか
2.大胆に発想し、緻密に進める―キラリと光るアイデアとは
3.“無関心”を“情熱”へ変える法―まわりを巻き込むタフな説得力
4.賢者は時を待ち、愚者は先を急ぐ―チャンスを最大化するタイミング
5.「誰と組むか」が勝敗を決める―パワフルな結束をつくる人の見分け方
6.「はみ出す人」こそ時代をつくる―どこに可能性が隠されているか
7.ダメになる組織、飛躍する組織―風通しよく、進化を遂げるしくみづくり
8.どんな「荒波」も、しなやかに乗りこなせ―あらゆるものをエネルギーにする方法
監訳者のことば 「いわれてみれば当たり前」の妙味(楠木建)
要約ダイジェスト
変化を生み出す「創造的破壊」
心理学者の研究により、業績の達成には「コンフォーミティ」(同調性)と「オリジナリティ」(独自性・独創性)という 2種類の方法があることがわかっている。コンフォーミティとは、多数派にならって従来の方法を踏襲し、現状を維持することだ。
他方で、オリジナリティとは、未開発の方法をとり、