『日本の革新者たち』
(齊藤義明/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 少子高齢化、財政などの社会課題が山積する今の日本に必要なのは、「雇用の創出」ではなく、「経営者の創出」である――野村総合研究所の未来創発センター2030年研究室 室長を勤める著者はそう考え、2012年より「革新者プロジェクト」を開始した。

 これは、従来にない革新的なビジネスモデルで社会課題を解決する経営者たちに迫り、そのスキルと情熱を日本全国に拡大再生産するためのプロジェクトである。そのため筆者は「100人斬り」すなわち、実際に100人の「革新者」たちを訪ねて回り、深い対話を行った。本書は、3年にも及ぶその調査の成果がまとめられた貴重な一冊だ。

 本書においては、特に革新的なビジネスモデルを持つ企業やNPOなどの経営手法と、100人の「革新者」から抽出された彼らの「キラー・スキル」を解説。スノーピーク、GRA、千葉県流山市、IKEUCHI ORGANICなど、地域活性化と経済性を両立した、持続可能な事業モデルの数々が紹介されている。

 さらに本書では野村総研が現在「革新者」とともに取り組む地方創生プロジェクトの最前線と、実践的なノウハウを公開している。経営や地方創生に関わる方はもちろん、何らかのプロジェクトで主体性を発揮したいビジネスパーソンはぜひご一読いただきたい。革新者たちのスキル・スタンスの両方から大きな示唆が得られるはずだ。

著者:齊藤義明(サイトウ ヨシアキ)
 野村総合研究所。NRIアメリカワシントン支店長、コンサルティング事業本部戦略企画部長などを経て、現在、未来創生センター2030年研究室室長。政策や企業経営コンサルティングの現場でこれまで100本以上のプロジェクトに関わる。専門は、ビジョン、イノベーション、モチベーション、人材開発など。著書に「次世代経営者育成法」(日本経済新聞出版社)「モチベーション 企業の研究」(東洋経済新報社)など。
Chapter1. 革新者とは誰か?
Chapter2. 革新者たちの未来創造パターン
Chapter3. 革新者が持つキラー・スキル
Chapter4. 革新者たちと地方創生に挑む

要約ダイジェスト

革新者が持つキラー・スキル

 日本の社会課題に新しいビジネスモデルで挑戦する 100人の革新者たちとの対話から抽出したイノベーションのキラー・スキルは、大企業経営管理者のマネジメント・スキルとは全く異なる。以下、革新者の 7つのキラー・スキルについてみていきたい。

1.あたりまえを疑う

 創造や革新とは、世の中の常識の一部を自分なりに作り替えていこうとする挑戦だ。ただし、

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