『デジタル・ジャーナリズムは稼げるか』
(ジェフ・ジャービス/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 インターネットの普及によって、メディアとジャーナリズムを取り巻く環境は激変した。その結果、新聞、雑誌などのメディアは軒並み部数減などに苦しみ、新たなビジネスモデルの模索が続いている。本書では、そのような時代において新たなメディアはどうあるべきか、旧来型メディアは生き残っていけるのかを探る。

 著者は記者や編集者、メディア系ベンチャーの経営ボードなどを経て、現在はニューヨーク市立大学(CUNY)大学院ジャーナリズム学科教授などを務めるデジタル・ジャーナリズムの第一人者。本書では、「マス」はもはや存在しない、ジャーナリズムは「コンテンツビジネス」ではなく「サービス業」であるなど、本質的な指摘がなされている。

 その真意は、ネット時代においては、受け手やコミュニティに合わせたサービス業の発想が必要となるということであり、コミュニティへの貢献こそがジャーリストやメディアの役割だということである。そこでは、ビジネスモデルや、コンテンツの中身だけでなく形式、働き方すら変えていく必要があるのだ。

 また、本書では、ニッチメディアやローカルメディアなど新たなメディアに対する希望も描かれている。今や個人や企業は情報の受け手でありながら、発信者にもなり、その力をうまく利用できれば強力な武器になる。その意味では、本書はジャーナリズムやメディアに携わる方以外もぜひご一読いただきたい一冊だ。

著者:ジェフ・ジャービス(Jeff Jarvis)
 ニューヨーク市立大学大学院ジャーナリズム学科教授。メディア事業、ジャーナリズムの未来に関する論客として注目を集めており、メディアとコミュニティの新たな関係について頻繁に発言している。メディア/テクノロジー関連でもっとも高い人気を誇るブログのひとつ Buzzmachine.com を運営している。2007~2014年の世界経済フォーラムでは、「世界のメディア・リーダー100人」の一人に連続して選ばれている。著書に『グーグル的思考』(PHP研究所)、『パブリック――開かれたネットの価値を最大化せよ』(NHK出版)がある。

翻訳:夏目 大(ナツメ ダイ)
 翻訳家。1966年、大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。大手メーカーにSEとして勤務したあと、翻訳家に。現在、翻訳学校フェロー・アカデミーの講師も務める。『CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる』(東洋経済新報社)、『あなたの人生の科学(上・下)』(早川書房)、『7つの名前を持つ少女』(大和書房) など訳書多数。

監修・解説:茂木 崇(モギ タカシ)
 東京工芸大学専任講師。東京大学大学院博士課程修了。専門はマス・コミュニケーション論、アーツ・マネジメント論。共著に『コミュニケーションの政治学』(慶應義塾大学出版会)、『図説 日本のメディア』(NHK出版)など。「WEBRONZA」、「現代ビジネス」で連載中。研究テーマはニューヨークのメディア・エンタテインメント産業。特に、メディア産業の経営戦略、『ニューヨーク・タイムズ』の歴史、イマーシブ・シアターの演出について研究。メディア企業のコンサルティングにも従事。

はじめに
メディア、ニュースの新たな時代のビジネスモデル
【第1部 関係】
第1章 『マス』は存在しない
第2章 コンテンツ対サービス
第3章 プラットフォームとしてのニュース
第4章 エコシステムとネットワーク
第5章 報道機関とコミュニティとの関係
第6章 ジャーナリストの役割
【第2部 形式の問題】
第7章 記事は死んだ、記事万歳
第8章 ニュースにいかに価値を付加するか
第9章 キュレーション
第10章 ニュースとデータ
第11章 モバイル時代のニュース
第12章 テレビニュースの再発明
第13章 意外な技術の応用
【第3部 ビジネスモデル】
第14章 ここまでのまとめ
第15章 デジタル・ファーストの先
第16章 効率化:何を削り、何を残すか
第17章 今後のニュース・ビジネスのあり方
第18章 ニュース・エコシステム
第19章 マスメディア神話の崩壊
第20章 ネイティブ広告は敵か味方か
第21章 有料の壁
第22章 パトロンの是非
第23章 情報の価格設定のパラドックス
第24章 リンク・エコノミーとクレジット権
第25章 価値の評価基準
第26章 未来への投資

要約ダイジェスト

メディア、ニュースの新たなビジネスモデル

 テクノロジーは、メディアにチャンスをくれる。過去と訣別して生まれ変わり、今後も生き残っていけるチャンスをくれるのだ。確かにテクノロジーは既存のメディア企業を破壊する要因になり、以前のような顧客との関係、ビジネスモデルは成り立たなくなってしまった。

 だが私は、ニュースというもの自体が危機に瀕しているとは思わない。ニュースの利用者は確かに増えている。ニュースへの関心は高まり、

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