『ヤバすぎる経済学』
(スティーヴン・D・レヴィットほか/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 本書は、テロ、犯罪、戦争からビジネス、家族や人生、成人指定の内容まで、刺激的なトピックスを経済学の知恵で読み解く一冊。著者は全世界 700万部の大ベストセラーとなった『ヤバい経済学』のコンビで、シリーズ最新刊として著者のブログ『Freakonomics.com』約 8,000本の中から 131の記事を厳選し、再構成したものだ。

 その内容たるや「効果的なテロの起こし方」「銀行強盗に最適な日時」「知らない人より知人のほうが危険」「環境問題への対処が環境を悪化させている」など、ある意味不謹慎なものも多い。実際、本家のブログはたびたび炎上しているというが、その問題意識は独自であり、彼らが常に「常識」を疑っていることがよくわかるはずだ。

 そして、著者らは一貫して経済学で言う「インセンティヴ(行動の動機・誘因)」に着目している。例えば、効果的なテロのやり方を考える際にも、「自分がテロの犠牲者になるかもしれない恐怖」というインセンティブを出発点とする。そうした着眼点と論理の組み立てから学べる点は多いはずだ。

 前作までと異なり、本書は話題のトピックスを扱った経済エッセイとも言えるが、ゲストとして登場する行動経済学の権威 ダニエル・カーネマンの Q&A、『ブラック・スワン』で一躍有名になった不確実性の専門家 ニコラス・タレブらの寄稿もあり、どこから読んでもビジネスや日常の視点を変えてくれるヒントが満載の一冊だ。

著者:スティーヴン・D・レヴィット(Steven D. Levitt)
 シカゴ大学経済学部教授。40歳未満で最も影響力のあるアメリカの経済学者に贈られるジョン・ベイツ・クラーク・メダル受賞。ヤバい経済学流の考え方を企業や慈善活動に応用するグレイテスト・グッドの創設者。

著者:スティーヴン・J・ダブナー(Stephen J. Dubner)
 作家として表彰を受け、ジャーナリストとしても活動し、ラジオやテレビに出演する。最初の職業――あと一歩でロックスター――を辞め、物書きになる。以来、コロンビア大学で国語を教え、『ニューヨーク・タイムズ』紙で働き、『ヤバい経済学』シリーズ以外にも著書がある。

訳者:望月 衛(モチヅキ マモル)
 大和投資信託株式会社リスクマネジメント部。京都大学経済学部卒業、コロンビア大学ビジネススクール修了。CFA、CIIA。投資信託等のリスク管理やパフォーマンス評価に従事。訳書に『ヤバい経済学』『超ヤバい経済学』『その問題、経済学で解決できます。』『美貌格差』(東洋経済新報社)、『経済は「予想外のつながり」で動く』『ブラック・スワン』『まぐれ』(ダイヤモンド社)、『ヘッジホッグ』『ウォール街のイカロス』(日本経済新聞出版社)等がある。

ごあいさつ:ブログとかけてミネラルウォーターと解く。そのこころは?
第1章 ぼくたち、お役に立ちたかっただけなんです
第2章 マス掻く手コキとウェインの恐怖
第3章 ガソリン値上がり万歳!
第4章 コンテストいろいろ
第5章 間違ったものを怖がるとは
第6章 インチキしてないってことは一所懸命やってないってことだ
第7章 でもそれ、地球にやさしいの?
第8章 21で大当たり
第9章 銀行襲うならいつがいい?
第10章 もっとヤらせて、ぼくら経済学者だし
第11章 万華鏡みたいなもの
第12章 ひとたびジェットになったなら…
ヤバい経済学の逆襲:訳者のあとがき

要約ダイジェスト

あなたがテロリストならどんな攻撃を仕掛ける?

 最近、運輸保安庁が飛行機内に持ち込む手荷物の規制から、タバコのライターを外すと発表した。こういうルールの話を聞くと考えてしまうのは、自分がテロリストで、使える資源に限りがあるなら、どうやって恐れを最大化するかということだ。

 みんなを震え上がらせることの1つに、

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