『日本人の知らない HONDA』
(ジェフリー・ロスフィーダー/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 トヨタと並び、日本を代表する自動車メーカー、ホンダ(本田技研工業)。同社は自動車のみならず、オートバイ、小型ジェット機やロボットなど、モビリティ全般での独創的な新技術でも知られている。だがトヨタに比べると、ホンダの強さに迫った書籍は意外なほど多くない。
 
 そこで本書では、綿密な取材から、創業者 本田宗一郎のエピソード、現在のホンダを形づくる「三原則」など、ある意味外国人だからこそ見えてくる東洋的とも言えるホンダの独創性を明らかにする。一読すれば、ホンダがグローバル企業となった今も、いかに起業家精神やイノベーションを失わない組織にするため腐心しているがわかるはずだ。

 例えば、ホンダの大きな特徴のひとつに、「ワイガヤ」と呼ばれるフラットで混沌としたミーティングがある。これは、答えがない問題や矛盾を含む問題に対して、妥協せず徹底的に話し合うものだ。近年では、社内会議の時間を短縮するトレンドもあるが、独創的な問題解決には、時に徹底した議論も必要だと気づかされるはずだ。

 また、「グローバリゼーション」の真逆を行く、現地へ権限移譲された「ローカリゼーション」と呼ばれるグローバル戦略など、先が見えない時代における事業戦略や組織を考えるうえでのヒントに満ちた一冊だ。経営層やエンジニアはもちろん、クリエイティブでありたいビジネスパーソンはぜひご一読いただきたい。

著者:ジェフリー・ロスフィーダー(Jeffrey Rothfeder)
 ジャーナリズム分野で数々の賞に輝いてきたベテラン・ジャーナリスト。オンライン・ニュース・メディア「インターナショナル・ビジネス・タイム」やPCマガジンの編集長を務めたほか、タイム誌やビジネスウィーク誌の編集、あるいはワシントンポスト紙の特派員など、広範な場で活躍。その守備範囲は、リーダーシップからマネジメント、企業文化、グローバリゼーションなどじつに多岐にわたる。ウォールストリート・ジャーナルベストセラーの『Make or Break』ほか、話題を呼ぶ著書も多数。

翻訳:依田卓巳(ヨダ タクミ)
 翻訳家。訳書に『革命家の仕事術』『人を魅了する』『HPウェイ[増補版]』『すべては「売る」ために』『響き合うリーダーシップ』(ともに小社刊)、『アテンション』(飛鳥新社)、『国際協調の先駆者たち』(NTT出版)、『インサイド・アップル』(早川書房)、『マイクロソフトを辞めて、オフィスのない会社で働いてみた』(新潮社)など多数。

1章 ホンダはどこがちがうのか
2章 オイルのにおい
3章 第一の原則―パラドックスを受け入れる
4章 第二の原則―三現主義
5章 第三の原則―個性を尊重する
6章 ホンダならではの工場
7章 ホンダのイノベーション・マシン
8章 革命的なサプライチェーン
9章 ローカルな多国籍企業
10章 「製造業」宣言

要約ダイジェスト

世界を驚かせたハプニング

 2000年 4月、本田技研工業のリンカーン新工場の鍬入れ式での出来事だ。当日は好天にも恵まれ、数百人の住民と招待客が出席し、ホンダ側からは、社長の吉野浩行、ホンダ・オブ・アメリカの役員といった重役が出席した。

 スピーチが続いたあと鍬入れの時間になり、

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2017 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集