- 本書の概要
- 著者プロフィール
「よなよなエール」という名前は、個性豊かなエールビールを毎晩(夜な夜な)飲んでもらいたいという世界観と、一度で覚えてもらえるインパクトを目指してつけられたという。コンビニや大手スーパーで、花札をモチーフにした”和風”パッケージが目を引く、黄金色の缶を見たことがある方も多いのではないだろうか。
いまや大手4社とオリオンビールに次ぐ規模の同社だが、その道のりは平坦ではない。創業後「地ビール」ブームで売上を伸ばすも、ブーム終焉で赤字に転落。本書はそれでも味を変えず、「100人のうち1人に熱狂的に好きになってもらう」「『世の中的に正解』とされることをやらない」逆転の発想で業績をV字回復させた井出社長の自伝的経営論だ。
本書では、業界に先駆けてウェブでの直販で売上を伸ばし、ユニークなメルマガ、1,000人規模のイベント開催など、熱狂的なファンを生み出す仕組みと、アイデアあふれる経営が明らかにされている。企業規模を問わず、差別化や新たな市場開拓に悩む経営幹部、マーケティング担当者に多くのヒントを与えてくれる一冊である。
ヤッホーブルーイング代表取締役社長。よなよなエール愛の伝道師。1967年生まれ。福岡県出身。国立久留米工業高専電気工学科卒業。大手電気機器メーカー、広告代理店などを経て、1997年ヤッホーブルーイング創業時に営業担当として入社。地ビールブームの衰退で赤字が続くなか、ネット通販業務を推進して2004年に業績をV字回復させる。現在まで11期連続増収増益。全国200社以上あるクラフトビールメーカーのなかでシェアトップ。2008年社長就任。ニックネームは「てんちょ」。
第2章 ファンは100人に1人でもいい
第3章 弁当代が出ないなら東京に行きません
第4章 どん底だから、この仕事に人生を賭ける
第5章 運命を変えた七年前の手紙
第6章 スキルは挑戦しながら身につければいい
第7章 リーダーの不満は自分を映した鏡
第8章 早ければ早いほど、最高のチームができる
第9章 僕らの働き方を変えたら、ファンも販売店もチームになった
付 録 今夜から使える エールビールの楽しみ方
要約ダイジェスト
悔し涙も、出なかった
長野県軽井沢町に本拠を置く僕らの会社、ヤッホーブルーイングの看板製品は「よなよなエール」だ。このビール、売れない時期もあったが、いまはファンのみなさんのおかげで人気ブランドになりつつある。
僕らはもともとはクラフトビールのメーカーを目指していた。開業の理由も、星野リゾートの代表 星野佳路がアメリカで小規模ブルワリー(ビール醸造所)のビールのおいしさに魅了され、