『会社に頼らないで一生働き続ける技術 ―「生涯現役」40歳定年のススメ』
(井上久男/著)

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  • 目次
 少子高齢化の影響は現行の社会保障制度にも及び、年金支給開始年齢の引き上げや減額が現実的なものとして議論されている。そうしたときにビジネスパーソン個人はどのようなキャリアを描くべきか。本書では「生涯現役」「40歳定年」を提唱する。

 これは、40歳で退職や解雇という意味ではなく、生涯現役の折り返し地点である40代前後で、キャリアの棚卸しをすることのすすめである。それが、キャリアと人生を自らコントロールするための準備といえるのだ。著者自身も、朝日新聞記者という肩書と高給を捨て40歳で独立。以来フリーライターとして以前と同等の収入を得ているという。

 また本書では、大手メーカーや金融機関、大手メディア、大学教授など、人が羨むステータスと収入を得ていた人々が、生涯現役を目指してそこを飛び出し、起業や家業の承継、フリーランスとして活躍している事例が数多く紹介されている。

 将来的に起業や独立、転職を考えている方はもちろん、まずどのような準備すべきかを考えてみたい人まで、20代後半以上のビジネスパーソンにはお薦めできる内容だ。もちろん50歳を超えても、何度でも考え直すべきテーマである。働き方、そして生き方の選択肢を増やすためにも、ぜひご一読いただきたい。

著者:井上久男(イノウエ ヒサオ)
 1964年生まれ。福岡県出身。88年九州大学卒。NECを経て92年朝日新聞社に転職。経済部でトヨタ自動車や日産自動車、パナソニック、シャープ等を担当。2004年に独立し、文藝春秋社や東洋経済新報社等が発行する各種媒体で執筆。「現代ビジネス」(講談社)などに連載コラムを持つ。最近は農業の取材も精力的に行っている。主な著書に『メイド イン ジャパン 驕りの代償』(NHK出版)、『トヨタ 愚直なる人づくり』(ダイヤモンド社)、『トヨタ・ショック』(講談社、共編著)など。
40歳定年制のススメ
01 40歳で会社を辞めて食っていくには
02 大手メーカーを飛び出し活躍する人たち
03 メガバンクや大手損保から飛び出し活躍する人たち
04 農業を戦略的ビジネスに変貌させる人たち
05 大メディアや大学を飛び出し活躍する人たち
06 家業を再生させる人たち
07 激動の時代を生き抜くための思考

要約ダイジェスト

40歳定年制のススメ

「40歳定年制」という言葉は2012年、2050年に向けた日本の経済や社会を検討する政府の長期ビジョン「フロンティア構想」の中に盛り込まれた。

 発案した東京大学大学院経済学研究科・経済学部の柳川範之教授は、このままでは今の社会保障制度が機能しなくなるため、

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