『2020年の中国―「新常態」がもたらす変化と事業機会』
(此本臣吾ほか/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 踊り場を迎えたといわれる中国経済。いまや業界を問わず、世界経済に大きな影響を与えるその先行きへの正確な理解が必須である。そこで必要なのは、中国の現状と未来を、過度な悲観論や楽観論に振れることなく、客観的なデータをもとに読み解くことだ。

 2015年、中国政府は全国人民代表大会で、中国経済の新たな発展段階、「新常態(ニューノーマル)」への移行を掲げた。これは、低成長経済の下でも、持続可能な発展を目指す一連の構造改革を指す。本書ではこうした中国の国家戦略をもとに、2020年頃の近未来の中国経済の変化とビジネスチャンス、日本企業の取るべき戦略を明らかにしている。

 それによれば、減速傾向が強いのはB2B(企業間取引)であり、B2C(対個人向けビジネス)では、まだまだ潜在力をもった巨大な市場の姿が見えてくる。さらに、いまや中国はEC取引額やスマホ普及率の高さで世界有数のネット先進国であり、あわせて考えると、中国の製造業や新興インターネット企業が目指す未来が明らかになってくる。

 本書は現地コンサルタントを含む、野村総合研究所の中国研究を下敷きとした骨太の内容となっている。最新の現地情報も豊富であり、対中国ビジネスに関わるビジネスパーソンはもちろん、アジアなどへの海外展開を考えるにあたって、多くの示唆がある一冊だ。

著者: 此本 臣吾(コノモト シンゴ)
 1985年東京大学大学院工学系研究科機械工学科修了。同年、(株)野村総合研究所入社。グローバル製造業の戦略コンサルティングに従事。1994年台北事務所長(1995年同支店長)、2000年産業コンサルティング部長、2004年執行役員コンサルティング第三事業本部長、2010年常務執行役員コンサルティング事業本部長、2013年常務執行役員コンサルティング事業担当、2015年から、代表取締役専務執行役員ビジネス部門担当。専門はグローバル経営戦略、アジアの産業政策。

松野 豊(マツノ ヒロシ)
 1981年京都大学大学院工学研究科衛生工学科修了。同年、(株)野村総合研究所入社。環境問題、企業の技術戦略・経営システムのコンサルティングに従事。1999年経営情報コンサルティング部長、2002年野村総研(上海)諮詢有限公司設立、董事・総経理、2005年コンサルティングプロジェクト総括部長、2007年から、清華大学・野村総研中国研究センター理事・副センター長。専門は中国の産業政策、事業戦略、環境問題。

川嶋 一郎(カワシマ イチロウ)
 1987年早稲田大学第一文学部社会学専修卒業。1991年台湾淡江大学法学修士。1992年(株)野村総合研究所入社。台湾にて政府の投資誘致、日本企業の事業戦略プロジェクトなどに従事。2000年台北支店長。2011年から中国に駐在し、野村総研(上海)諮詢有限公司副総経理・駐北京代表。2014年から、同社董事・総経理。専門は投資誘致政策、中国事業戦略。

序 章 新常態における事業機会
第1章 中国の社会・経済展望
第2章 新常態下の産業発展戦略
第3章 新常態下の中国企業とイノベーション
第4章 価値転換が進む消費市場
第5章 新常態と日本企業

要約ダイジェスト

二層化する中国経済

 2015年に入ってから中国の景気減速感が強くなり、これまでの高度成長時代が終焉したことがはっきりしてきた。しかし、中国経済について短期的な出来事にあまり一喜一憂する必要はない。大きな転換期を迎えているだけで、

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