『モノ造りでもインターネットでも勝てない日本が、再び世界を驚かせる方法―センサーネット構想』
(三品和広ほか/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
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 日本の製造業は、新興国の台頭などにより、軒並み苦境にあえいでいる。さらに近年、米国発のインダストリアル・IoTやドイツのインダストリー4.0など、生産現場のスマート化も叫ばれている。こうした中、日本企業はどうすればよいのか。本書では、日本の製造業が再び世界をリードするための「センサーネット構想」を提示する。

 この構想は、センサーにより蓄積されるビッグデータと「個人を識別しない」ネットワークにより、交通や需給予測、エネルギーなど、ビジネスから社会課題まで解決するプラットフォームを築くものだ。プライバシー問題に揺れる現在の米国主導のインターネットの弱点を補い、日本に強みのあるセンサーテクノロジーを活かす逆転の戦略といえる。

 本書では、そんな大きな可能性を秘めたセンサーネット構想実現に向けた具体的な提言や未来像はもちろん、その過程で日米の産業史やインターネットの歴史、先端技術をわかりやすく解説し、イノベーションや戦略の本質に迫る内容となっている。

 著者は経営学者として多数の著書を持ち、ハーバード大学ビジネススクルール助教授などを経て、現在は神戸大学経営学部教授を務める人物。実は半世紀に一度のチャンスが訪れているというモノづくりの世界に身を置く方はもちろん、テクノロジーや起業、経営戦略に興味関心がある方にとって多くの気付きがある一冊だ。

著者:三品 和広(ミシナ カズヒロ)
 1959年愛知県生まれ。82年一橋大学商学部卒業。84年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了、89年ハーバード大学文理大学院企業経済学博士課程修了。同年ハーバード大学ビジネススクール助教授、北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科助教授等を経て、現在、神戸大学大学院経営学研究科教授。
 著書に『戦略不全の論理』(東洋経済新報社、2004年、第45回エコノミスト賞、第21回組織学会高宮賞、第5回日経BP・BizTech図書賞受賞)『経営は十年にして成らず』(編著、東洋経済新報社、2005年)『経営戦略を問いなおす』(ちくま新書、2006年)『戦略不全の因果』(東洋経済新報社、2007年)『戦略暴走』(東洋経済新報社、2010年)『総合スーパーの興亡』(共著、東洋経済新報社、2011年)『どうする? 日本企業』(東洋経済新報社、2011年)『リ・インベンション』(共著,東洋経済新報社、2013年)『経営戦略の実戦1 高収益事業の創り方』(東洋経済新報社、2015年)

著者:センサー研究会

まえがき―日本流ムーンショットを目指して
第1章 エリー運河とウォール・ストリート―アメリカはこうして大英帝国を追い抜いた
第2章 大量生産の確立と決別―アメリカはこうして独走態勢を築き上げた
第3章 価値観の転換と意志の力―アメリカはこうして21世紀を呼び込んだ
第4章 センサーネットの可能性―本当の日米逆転を構想する
第5章 企業の枠を取り払う―新世界でのガバナンス

要約ダイジェスト

日本流ムーンショットを目指して

 社員を囲い込んで技術を厚く蓄積し、その粋を集めた製品群を世に送り出す。それが日本企業の得意とする戦法だ。1980年代には貿易摩擦を引き起こすほど日本製品は世界の至る所で売れに売れ、「日本はアメリカを射程圏に捉えた、いやアメリカを追い抜いた」と勇ましい議論が飛び交った。

 しかし、我が世の春は長く続かなかった。ソニーのエレクトロニクスはアップルに、

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