『小さな天才になるための46のルール』
(マーティ・ニューマイヤー/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 1970年代から活躍するデザイン界の重鎮であり、「デザイン思考」の創始者の一人でもある著者によれば、「天才」とは洞察をイノベーションに変え、その過程でわれわれの世界観を変えてしまう人、つまり創造性(クリエイティビティ)を独創性(オリジナリティ)にまで引き上げられる人のことを指す。

 そして、創造性を発揮するために必要なのは、感性というよりも、「道具としてのルール」と「情熱」、飽くなき「試行錯誤」であるという。意欲が学びを加速させ、学びが意欲をかき立てる好循環のループこそが、天才を生む魔法の仕組みなのだ。本書では、そんな著者と先人が大切にしてきた「創造性を発揮するルール」を余すところなく解説する。

 例えば、「最高の贈り物は、自由ではなく制限」「『森』を見る」「ためになる失敗をする」「情熱を管理する」など、シンプルながら本質的な内容が、アイデアを得るための方法、実行のためのコツといったくくりで46のルールとして掲げられている。

 自分には創造性がないと考える人も多いが、誰しも好きなことに没頭する才能はあり、本書の内容は、そうした才能を伸ばすためのルールでもある。企画やアイデアに悩んでいる、ビジネスや組織をデザインしたいなど、「創造性」を必要としている方はぜひご一読いただきたい。どこから読んでも自身の仕事に活かせるヒントが必ず見つかるはずだ。

著者:マーティ・ニューマイヤー(Marty Neumeier)
 デザイン思考のオリジネーターのひとり。ブランド、製品、サービス、企業、環境、コミュニケーショクリエイティピティン等に関する仕事を介して創造性の重要性を提唱してきた。デザインの専門家としての生涯の目標は「ビジネスとデザインの架け橋になること」として、次のように述べている「ビジネスは変革を促すてこの支点となり得る。ビジネスの仕組みを改善するというのは、世の中の仕組みを改善するいちばん手っ取り早い方法だ」。
 2003年に出版した著書『The Bland Gap』(邦訳『ブランド・ギャップ』トランスワールドジャパン刊)では、ブランドを「製品やサービス、組織に対して顧客が直感的に描くイメージ」と再定義し、「ブランドとはロゴ」「ブランドとは宣伝活動における公約」といった既存の概念を一蹴。2006年には『The Brand Gap』のアイデアをさらに掘り下げた『Zag』(邦訳「ザグを探せ」実務教育出版刊)を出版し、ブランド戦略の成否を試すのは「オンライン性」だと主張。同書はジャック・コヴァート、トッド・サッターステン共著の『100 Best Business Books of AII Time」(邦訳『アメリカCEOのベストビジネス書100』謂談社刊)の「1冊」に選ばれた。3冊目の『The Designful Company』(邦訳『デザインフル・カンパニー』海と月社刊)では、イノベーションを中核に据えた企業文化を育むコツを指南している。
 現在は、イノベーションやブランド構築などを手がけるLiquid Agency(顧客リストに世界のそうそうたる革新的大企業の名が並ぶ、国際的なデザイン事務所)のトランスフオーメーション・ディレクターを務める。かねてから企業の創造性を見抜く鋭い洞察力を駆使して、Apple、Google、Microsoft、Skype、twitter、Patagoniaなど世界有数の革新的企業からの業務依頼を狸得するとともに、そうした実務経験を通じて会得した秘訣や極意を著書、専門誌、業界紙、謂演、ワークショップ等で公開、共有してきた。
 2013年出版の『Metaskills :Five Talents for the Robotic Age』は、ホワイトボードに書かれた簡潔なメモのような感覚で手軽に読める前記3作とは趣を異にし、職場の創造性を高める上で欠かせないスキルや知識を深く掘り下げる解説となっている。イノベーションがかってなく加速する現代社会でわれわれがなぜ、また、どのように自分自身を再教育しなければならないかを解く。そんな『Metaskills』で紹介したスキルや手法を、いざ実践する際の入門速習ガイドとして執筆、出版されたのが、本書「小さな天才になるための46のルール」である。氏の最近の余暇の愉しみは、フランス南西部に所有する別荘で過ごす妻と2人の時間―ただし、「恥ずかしながらスーパーヘ行くだけでも英仏辞典が欠かせませんが」とのコメント付きだ。
PART 1 どうやってイノベーションを起こすのか
PART 2 どのように仕事に取り組むべきか
PART 3 どのように学ぶか
PART 4 どうやって違いを生み出すか

要約ダイジェスト

まだないものを見通せ

 先導者(リーダー)と追随者(フォロワー)を分ける決め手のひとつが、「今はまだないが、将来登場する可能性のあるもの」を見通す能力だ。ポイントは、画家やデザイナーが「ネガティブスペース」と呼ぶ部分を見つけることだ。

 ネガティブスペースとは、

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