『馬を飛ばそう』
(ケヴィン・アシュトン/著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次
 世の中は「天才」のひらめきとされる偉業で溢れている。例えばモーツァルトの手紙によれば、彼は数々の名曲を完成された状態でひらめき、それを紙に書き写すだけだった。他にも湯船で金と合金を見分ける方法を発見したアルキメデス、初めて飛行機を飛ばしたライト兄弟、革新的な製品をつくったスティーブ・ジョブズなど枚挙に暇がない。

 現在時代を席巻するIoT(Internet of Things:モノのインターネット)というコンセプトを生み出した著者も、そうした天才の一人だと考える方も多いだろう。しかしモーツァルトの手紙は偽物であり、アルキメデスの逸話も疑わしいものだとわかっている。

 創造性に関する数多くの研究や実話、そして著者の体験によれば、創造性は特別な人間に訪れる特別な思考ではなく、単調で粘り強い地味な作業の積み重ねでしかなかった。ライト兄弟もジョブズも、ある問題に目をつけ、一つ解決すると現れる新たな問題をまた解決する、という「普通の思考」を繰り返し、偉業を成し遂げるに至ったのだ。

 そこで本書では、情熱を絶やさずそうした試行錯誤を繰り返す適切なプロセス、誤った常識、革新者への批判や拒絶への対処などを詳しく解説する。日々創造と向き合うクリエーターやエンジニア、事業開発担当者はもちろん、新しいものを生み出そうと苦闘する全てのビジネスパーソンに多くの示唆を与えてくれる一冊だ。

著者:ケヴィン・アシュトン(Kevin Ashton)
 イギリスの無線IDタグ専門家、プロダクター。IoT(モノのインターネット)の言葉の提唱者として世界的に知られる。同分野を研究するマサチューセッツ工科大学(MIT)Auto-IDセンター(現Auto-IDラボ)共同設立者。多数のメディアに寄稿・出演。

翻訳:門脇 弘典
 翻訳家。東京外国語大学外国語学部卒。訳書に『ハーバード流「気づく」技術』マックス・H・ベイザーマン(KADOKAWA)、『レレバンス・イノベーション』アンドレア・コーヴィル、ポール・B・ブラウン(マグロウヒル・エデュケーション)。

日本版に寄せて IoTが生まれるまで
はじめに 創造の神話の嘘
第1章 創造は誰にもできる
第2章 思考プロセスは誰でも同じ
第3章 災難を予期する
第4章 ものの見え方を知る
第5章 功績は誰のものか?
第6章 影響の連鎖
第7章 創造に必要なもの
第8章 組織を創造する
第9章 天才にさよなら

要約ダイジェスト

創造の神話の嘘

 何か新しいものが生み出されるときには次のようなことが起きるという神話がある。画期的な発明や思想は、天才のひらめきから生まれる、詩は夢の中で書かれる、新しいビジネスは魔法のような手際で打ち立てられる…。

 この神話が間違っているのではないかと思い始めたのは、1997年のことだ。自分が開発した口紅が近所のスーパーで品切れしていたため、

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