- 本書の概要
- 著者プロフィール
では、そうした葛藤と上手につきあい、すべてのフィードバックを自身の成長につなげるにはどうすればいいのか。本書では、実際の事例をもとに、フィードバックを受けとることが難しい理由を「真実」「人間関係」「アイデンティティ」の3つに大別し、それぞれの対処法、フィードバックを自分の糧にする考え方を解説する。
著者のダグラス・ストーン、シーラ・ヒーンはともにハーバード・ロースクール講師であり、交渉術のプロフェッショナルとしてトライアド・コンサルティング・グループを創業。全米70万部突破のロングセラー『話す技術 聞く技術』の共著者でもある。
著者らはフィードバックの受け手がこうした技術を磨くことにより、フィードバックを与える側もまた、成長することができると説く。その意味で、本書は職場や組織、コミュニティ、家族、友人関係をよりよいものにするためにも役立つ内容となっている。査定評価など、フィードバックを与えることが多い方にもぜひご一読いただきたい。
ハーバード・ロースクール講師。トライアド・コンサルティング・グループ創設者。シティグループ、ホンダ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、シェル、ターナー・ブロードキャスティングといった企業をはじめ、ジャーナリスト、教育者、医師、外交官、政治家のコンサルティングも行う。クライアントはアメリカだけにとどまらず、南アフリカ共和国、カシミール、中東にも及び、世界保健機関や国際連合エイズ計画にも協力した。ホワイトハウスで上級政治任用官の研修を行った経験もあり、サンパウロで開催された世界交渉会議では基調講演を行った。寄稿したメディアは「ニューヨーク・タイムズ」紙、「リアル・シンプル」誌、「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌など多岐にわたり、さまざまなテレビ番組やラジオ番組に出演している。ハーバード・ロースクールを卒業し、卒業後はハーバード・ネゴシエーション・プロジェクトの副ディレクターを務めた。
シーラ・ヒーン(Sheila Heen)
ハーバード・ロースクール講師。トライアド・コンサルティング・グループ創設者。クライアントは5大陸にわたり、タイム・ワーナー、FRB(連邦準備銀行)、HSBC、メットライフ、ノバルティス、PwC、ユニリーバなどがある。クライアント先の経営チームとともに、衝突の解決、職場の人間関係の修復、適切な判断、組織改編を行うことが多い。ニューイングランド臓器バンクやシンガポール最高裁判所など、公的機関のコンサルティングも行う。また、真理の本質と神が一致しないことに葛藤する神学者や、ホワイトハウスの上級政治任用官のコンサルティングも経験。「ニューヨーク・タイムズ」紙と「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌に寄稿し、さまざまなテレビ・ラジオ番組に出演。
翻訳:花塚 恵(ハナツカ メグミ)
翻訳家。福井県福井市生まれ。英国サリー大学卒業。英語講師、企業内翻訳者を経て現職。主な訳書に『脳が認める勉強法』(ダイヤモンド社)、『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方』(東洋経済新報社)など。
PART1:真実
CHAPTER1:感謝、指導、評価に分けて受けとめる
CHAPTER2:意味を正しく理解する
CHAPTER3:自分だけが知らない自分
PART2:人間関係
CHAPTER4:あの人との会話が噛み合わない理由
CHAPTER5:3歩下がって俯瞰する
PART3:アイデンティティ
CHAPTER6:そのとき、脳では何が起こっているか?
CHAPTER7:歪んだ見方を矯正する
CHAPTER8:あなたを成長させる言葉はすぐそばにある
PART4:受けとり上手になる
CHAPTER9:断り上手は受けとり上手
CHAPTER10:フィードバックの力をみんなで高める
要約ダイジェスト
「引きだす力」がすべてを変える
フィードバックとは、受けとる人自身に関するありとあらゆる情報のことだ。自身の経験や周囲にいる人々の意見をはじめ、生活しているなかで、自分自身について教えてくれるものはすべてフィードバックだ。
現在、フィードバックは職場で重要な役割を果たし、企業は、フィードバックを与える技術を高めるための研修に毎年何十億ドルと費やしている。しかし、フィードバックを受けいれる、受けいれないを決める権利は、受けとる側にある。フィードバックを意義あるものにできるかどうかは、