- 本書の概要
- 著者プロフィール
著者によれば、爆買いはしばらく続くという。しかし、その「質」は変わってくる。すでに中国人が”モノ消費”から”コト消費”へと移行しつつある兆しがいくつも見られるのだ。例えば、中国人の行動変化は早く、15年の時点ですでに過半数は団体旅行から個人旅行へと切り変わっている。そして、こうした傾向を後押しするのがスマホとSNSの普及だ。
本書では、現在中国人に大人気の大型免税店ラオックスや医薬品、観光客誘致に成功する岐阜県高山市などの事例や消費志向はもちろん、「癒し」を求めてやってくる富裕層や医療ツーリズムなど、知られざる新トレンドについても詳しく解説する。
著者は、北京大学、香港中文大学留学、新聞記者を経て、中国を現場で追い続けて29年の実力派フリージャーナリスト。中国人観光客、在日・在中中国人、日系企業、観光関係者など膨大な取材を通じて、中国人のホンネに迫った一冊である。いち早く彼らの変化に対応した戦略を練るために大いに参考になるはずだ。
1967年、山梨県生まれ。北京大学、香港中文大学に留学。新聞記者を経て、96年よりフリージャーナリスト。中国・香港・台湾など、主に東アジアのビジネス事情、社会事情等を新聞、雑誌、インターネット上に執筆。
第1章 中国人観光客急増! 彼らはなぜ日本を目指すのか
第2章 現場で聞いた「中国人観光客の人気商品」
第3章 複雑な社会からわかるモノが売れる仕組み
第4章 爆買いに戸惑う声から探る「マナー問題」の解決法
第5章 大挙してやってくる中国人客は千載一遇のチャンス!?
第6章 中国人富裕層にとって日本は心のオアシス
第7章 なぜ彼らは「日本に住みたい」と思っているのか
エピローグ 日本旅行で中国人の対日観が塗りかえられていく
要約ダイジェスト
バブル期の日本から見えてくる「爆買い」の未来予想図
週末の午後、晴天に恵まれた銀座で3時間ほど取材して歩いたが、中央通り(銀座通り)の一部、銀座4丁目から8丁目までの数百メートルは、目算したところ6、7割が中国人観光客だ。今や銀座は中国人団体客のツアーに組み込まれる「日本で最も有名な街」であり、日本観光のメッカ的な存在だ。
日本政府観光局(JNTO)の調査によると、14年に日本を訪れた外国人観光客は約1,341万人と2年連続で大幅に伸びた。そのうち、