- 本書の概要
- 著者プロフィール
経営学はこの10~20年で国際標準化、科学的考察が進み、急速に進化した。しかし、日本のビジネスパーソンがビジネス誌を読んだりして知ることができる「経営学」と、世界の最先端で経営学者が生み出している知見の間には、大きなギャップがあるという。経営学者にとっては、実務家向けに書くことより、学術誌への論文掲載が優先されるからだ。
本書は、そんな経営学の最先端知見と実務家の橋渡しとなる一冊である。「競争戦略」「イノベーション」「グローバル化」「組織学習」「起業・リーダーシップ」「CSR」「ダイバーシティ」「同族経営」など、日本企業を取り巻く経営テーマの知られざる最新知見が、多くの事例とともにわかりやすく解説されている。
「経営学は役に立たない」という意見もあるが、著者によれば、経営学をうまく使っている経営者の多くは、経営学の知見を「答え」としてではなく、あくまで「思考の軸・ベンチマーク」として使っている。経営学でビジネスがすぐうまくいくわけではなくとも、ビジネス思考に「軸」があれば、より深い経営判断ができるのは間違いないだろう。
著者の入山章栄氏は、2013年まで10年間、米国の二つのビジネススクールで経営学の教育・研究に携わり、現在は早稲田大学ビジネススクール准教授を務める気鋭の若手経営学者。起業についての言及も多く、経営者だけでなく、より視座を高めたいビジネスパーソン、起業を目指す方にはぜひご一読をお薦めしたい。
著者:入山 章栄(イリヤマ アキエ)
早稲田大学ビジネススクール准教授。慶応義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカー・国内外政府機関への調査・コンサルティング業務に従事した後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。2013年から現職。Strategic Management Journal, Journal of International Business Studiesなど国際的主要経営学術誌に論文を発表。著書に『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)。
早稲田大学ビジネススクール准教授。慶応義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカー・国内外政府機関への調査・コンサルティング業務に従事した後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。2013年から現職。Strategic Management Journal, Journal of International Business Studiesなど国際的主要経営学術誌に論文を発表。著書に『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)。
1.いま必要な世界最先端の経営学
2.競争戦略の誤解
3.先端イノベーション理論と日本企業
4.最先端の組織学習論
5.グローバルという幻想
6.働く女性の経営学
7.科学的に見るリーダーシップ
8.同族企業とCSRの功罪
9.起業活性化の経営理論
10.やはり不毛な経営学
11.海外経営大学院の知られざる実態
経営学ミニ解説
2.競争戦略の誤解
3.先端イノベーション理論と日本企業
4.最先端の組織学習論
5.グローバルという幻想
6.働く女性の経営学
7.科学的に見るリーダーシップ
8.同族企業とCSRの功罪
9.起業活性化の経営理論
10.やはり不毛な経営学
11.海外経営大学院の知られざる実態
経営学ミニ解説
要約ダイジェスト
あなたの会社の戦略がうまくいかない、最も根本的な理由
代表的な二つの競争戦略と三つの競争の型
多くのビジネスパーソンが自社の戦略のヒントを得るために「経営戦略」を勉強しているが、戦略がうまくいかない「根本的な理由」についての知識共有は進んでいない。それは、「『戦略』にはそれぞれ通用する範囲がある」ということだ。
競争戦略で特に代表的なのは、
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