- 本書の概要
- 著者プロフィール
特に現場からのボトムアップに主眼を置いた人を育てる言葉とノウハウが、「考え方」「教え方」「コミュニケーション」などの項目で平易に説かれ、「ものづくり」企業である前に「ひとづくり」企業であるというトヨタの強みの原点が理解できる実践的な一冊となっている。
2002年、トヨタ自動車とリクルートグループの合弁で設立。トヨタ在籍40年以上のベテラン技術者が「トレーナー」となり、OJT(On the Job Training)により、現場のコア人材を育て、変化に強い現場づくり支援するコンサルティング会社。製造業界・食品業界・医薬品業界・金融業界など、さまざまな業種の顧客にサービスを提供している。
2:思考力が育つトヨタの問題解決
3:やる気が育つトヨタの教え方
4:チームが育つトヨタのコミュニケーション
5:リーダーが育つトヨタの現場力
要約ダイジェスト
トヨタの強さはどこにあるのか?
「トヨタ生産方式」をベースに効率化された生産システム、「安心・安全」に裏打ちされたブランドカ、ハイブリッド車などの技術力、「生産台数世界一」を可能にした販売力、どれもトヨタの強みである。しかし、すべてにつながるトヨタの「力の源泉」、それは「人を育てる力」にある。
生産システムも、ブランドカも、技術力も、販売力も、「社員が自分たちの頭で考えて、問題解決するボトムアップ型の組織」を抜きにしては語れない。業績が伸び続ける会社は、上司がきちんと部下を育てている。
会社が小規模であれば、カリスマ性のあるリーダーや一部の「できる人」が会社を引き上げていくことができる。ただし、会社が成長を続けるには、リーダーや上司が部下を育て、自分の”分身”をつくらなければならない。
トヨタでは効率的にモノをつくり、生産性を最大限に高めるには、自分で考え、自律的に動ける社員を育てることが不可欠だという考え方が浸透している。だから、トヨタの上司は、効率や成果を追求する一方で、部下を育てることにも手を抜かない。むしろ、部下を育てることが上司の成果につながり、売上増につながると考えているのだ。
「人を育てる」文化を継承する
トヨタでは、優秀な部下を育てる人が評価される。また、自分の”分身” を育ててから、上位の職制に上がっていくので、リーダーが一人抜けても組織が停滞することがない。
トヨタの元社長である豊田英二は、