『「やさしさ」という技術』
(ステファン・アインホルン/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 ビジネスの世界で「あの人はやさしい」というと、「甘い」「徹底していない」というような、少し蔑んだ意味が含まれていることがある。しかし著者の見解は異なり、「やさしさ」こそ人生で成功するための最も重要な資質であり、なおかつ誰でも身につけることができる「技術」だと説く。しかもそれは「利己的」な動機からで構わないという。

 本書では、より多くを与える人物が、より多くを手に入れることを示す様々な研究成果が明らかになる。さらに、進化生物学や宗教倫理など様々な観点からも、他人に「やさしさ」を持って接する人ほど成功すること、そして「やさしさ」の連鎖が実際に世界をより良い方向へ変えることが丁寧に紐解かれている。

 著者はまた、「やさしさ」を身に付けるための考え方やツールを示しながらも、特効薬的な解決策はないと語る。すなわち、常に「あちらを立てればこちらが立たず」という倫理的ジレンマに悩みながら、自分の頭で考え実践し続けなければならないのだ。だからこそ本書は、ビジネスパーソンにとって本質的で、一生役立つ一冊となるはずだ。

 著者は、世界トップレベルのカロリンスカ医科大学の分子腫瘍学教授、がん専門医として多くの人々の生死に向き合ってきた人物。同医大の「学生が選ぶ最優秀教授」にも選ばれ、TEDや多くの企業、大学で「倫理」の講義を行い、本書は世界初の「やさしさ学」として、人口900万人のスウェーデンで30万部を突破する社会現象となった。

著者:ステファン・アインホルン(Stefan Einhorn, Ph.D. ,M.D.)
 1955年スウェーデン・ストックホルム生まれ。世界トップレベルの医大として知られるカロリンスカ医科大学の分子腫瘍学教授、がん専門医。スウェーデンでは「倫理」についての講義・講演の名手としても名高く、99年にはカロリンスカ医大の「学生が選ぶ最優秀教授」に認定されたほか、数多くの大学や企業、TEDなどでレクチャーを行っている。
 小説を含む9冊の著作があり、とりわけ倫理的に生きることの意義と効用を説いた本書『「やさしさ」という技術』は、人口900万人のスウェーデン国内だけで異例の30万部以上を売り上げ、北欧を中心にセンセーションを巻き起こした。

翻訳:池上明子(イケガミ アツコ)
 スウェーデン語・英語翻訳家。大阪大学文学部日本学科卒業。訳書に『きょうそうってなあに?』(バベルプレス)がある。

はじめに 「やさしさ」を磨くと人生が変わる
第1講 やさしさと倫理
第2講 偽りのやさしさ
第3講 やさしさ・勇気・利己主義
第4講 あなたが「よい人間」になれない理由
第5講 やさしさは得か
第6講 「成功」とは何か
第7講 なぜ、やさしくなると成功するのか
おわりに 生涯を人間の研究にささげた男が最後に気づいたこと
訳者あとがき

要約ダイジェスト

「やさしさ」と倫理

「やさしさ」を磨くと人生が変わる

 やさしい人は、引っ込み思案だったり、反対意見を言えない気の弱い人と思われている節がある。私は、この言葉がさげすんだ口調で使われるのを聞くたびに、そんな使いかたをする人というのは、人生において何が大切かを知らないのだ、といつも思う。

 私の考える「やさしい人」とは、倫理にしたがって生きている人である。やさしい人は、

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