『CSV経営戦略』
(名和 高司/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 ハーバード・ビジネススクール(HBS)のマイケル・ポーター教授は、企業戦略の大家であり、「ファイブ・フォーシズ」や「バリュー・チェーン」などの著名なフレームワークも同氏の提唱によるものだ。そんなポーター教授が2011年、自らの経営理論の集大成として世に問うたのが、CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)戦略である。

 これは簡単にいえば、社会価値と経済価値の両立を志向する経営モデルだ。近年、CSR(企業の社会的責任)や企業の社会貢献活動が注目されているが、CSVでは、より積極的に「本業」で社会課題の解決に挑み、非営利活動では行えない規模と持続可能性の実現を目指す。そして、それこそが次世代の競争優位を生むとポーター教授は主張する。

 欧米ではネスレやGE、Google、日本でもキリンやファーストリテイリングなど、グローバルに活躍する先進企業が続々とCSV経営を取り入れているという。本書では、CSVのコンセプトと国内外の企業事例を多数解説。さらに、ポーター教授のCSV理論にとどまらず、日本企業の強みを生かした「日本型CSV」のあり方まで示したCSV経営の決定版だ。

 その意味で、企業戦略のみならず、非営利活動や公共部門に携わる方にとっても示唆が多い内容となっている。著者はHBSでポーター教授に直接学び、マッキンゼーでを経て、現在は一橋大学ビジネススクール教授、ファーストリテイリングやデンソーなどの社外取締役のほか、BCGのシニアアドバイザーを務める人物。

著者:名和 高司(ナワ タカシ)
 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。1957年生まれ。80年東京大学法学部卒業、三菱商事に入社。90年ハーバード・ビジネススクールにてMBA取得。日本人として2人目のベーカー・スカラーを授与される。その後、約20年間、マッキンゼーのディレクターとしてコンサルティングに従事。自動車・製造業分野におけるアジア地域ヘッド、ハイテク・通信分野における日本支社ヘッドを歴任。2010年より現職。
 14年より日本を代表する約30社の次世代リーダーが参加する「CSVフォーラム」を主催。また、企業における次世代リーダーの育成と実践を支援する組織として、ジェネシスパートナーズとネクスト・スマート・リーンの2社を設立し、代表取締役に就任。現在、ファーストリテイリング、NECキャピタルソリューション、デンソー、味の素の社外取締役のほか、ボストン コンサルティング グループなどのシニアアドバイザーを兼任。主な著作に『学習優位の経営』『「失われた20年の勝ち組企業」100社の成功法則』『マッキンゼー 戦略の進化』『ハーバードへの挑戦』など。
第1章 21世紀型経営モデルの出現
第2章 CSVで世界をリードする欧米企業
第3章 新興国発CSVの台頭
第4章 日本のCSVフロントランナー
第5章 ファーストリテイリングのCSV経営
第6章 CSV経営を実践する
第7章 CSV2.0への道
第8章 J-CSVが実現するグローバル成長

要約ダイジェスト

21世紀型経営モデルの出現

 世界中で資本主義の有効性が改めて問われている。かつて才気あふれる若者は、起業家をめざした。しかし最近では、まるで資本主義、そしてその担い手である営利企業に対してレッドカードを突きつけるかのように、クールな若者ほどNPOやNGOを通じた社会貢献を志す。

 このような逆風の中、資本主義の復権をめざす動きがアメリカで産声を上げた。ハーバード・ビジネススクール(HBS)のマイケル・ポーター教授が、

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2017 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集