『China 2049』
(マイケル・ピルズベリー/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 今後50年、100年の国際政治においては、米国が覇権を保ち続けるとも、中国やインドが台頭するとも言われている。しかし、中国はそんな風には考えていない。すなわち、100年越しの「中国主導の世界秩序」回復を狙っているのだ。その時期は2049年、共産党100周年記念の年であり、そのためのプランは着実に実行されてきたという。

 本書は、そんな中国の驚愕の国家戦略「100年マラソン」計画を明らかにし、あらゆる角度から検証した一冊だ。著者は米政府で長く対中国防衛政策を担当し、現在も国防省顧問、ハドソン研究所中国戦略センター所長を務める中国研究の第一人者。刊行にあたっては、CIA、FBI、国防長官府、国防総省の査読も受けたといういわく付きの内容である。

 中国指導者層は『資治通鑑』など古典から学び、数世代にも及ぶ長期戦略を実行に移してきたが、その戦略においては、野心を隠し敵を欺くことが最も重要とされたという。その野心に気付かず様々な対中支援を行ってきたアメリカは、著者を含め、これまで見事に騙されていたのである。

 こうした中国の戦略は、防衛戦略はもちろん、対中ビジネスにも大きな影響を与えるむしろ、政治経済が一体化しているのが中国の強みであり、本書ではそうした国有企業や市場の実態にも迫っている。また、領海をめぐる近年の日中間の緊張や日米関係についても言及が多く、全ての日本のビジネスパーソン必読の一冊といえるだろう。

著者:マイケル・ピルズベリー(Michael Pillsbury)
 ハドソン研究所中国戦略センター所長。国防総省顧問。スタンフォード大学卒業、コロンビア大学大学院博士課程修了。リチャード・ニクソンからバラク・オバマにいたる政権で対中国の防衛政策を担当。ランド研究所分析官、ハーバード大学リサーチフェロー、上院の四つの委員会のスタッフを歴任。外交問題評議会と国際戦略研究所のメンバー。ワシントンD.C.在住。

翻訳:野中 香方子(ノナカ キョウコ)
翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業。主な翻訳書に『2052今後40年のグローバル予測』『ファーマケドン』(ともに日経BP社)、『137億年の物語』「ネアンデルタール人は私たちと交配した』(ともに文藝春秋)産とがある。

序 章 希望的観測
第1章 中国の夢
第2章 争う国々
第3章 アプローチしたのは中国
第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
第5章 アメリカという巨大な悪魔
第6章 中国のメッセージポリス
第7章 シャショウジィエン
第8章 資本主義者の欺瞞
第9章 2049年の中国の世界秩序
第10章 威嚇射撃
第11章 戦国としてのアメリカ
解説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか
——森本敏(拓殖大学特任教授・元防衛大臣)

要約ダイジェスト

希望的観測

 1971年にリチャード・ニクソン大統領が中国との国交回復に動き出して以来、アメリカの対中政策を決めるのは主に、中国と「建設的な関係」を築き、その発展を助けようとする人々だった。この政策は、過去数十年間を通して、ほとんど変わらず維持されてきた。

 その間を通じて私は、アメリカのトップレベルの外交官と学者が共有する仮説をすっかり信じ込んでいた。すなわち、

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