『ルイ・ヴィトン元CEOが教える 出世の極意』
(マーク・ウェバー/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)米国法人CEO、ダナ・キャラン・インターナショナル会長兼CEOなど、著者のマーク・ウェバー氏はファッション業界で輝かしい実績を築いたが、その道のりは波乱万丈だ。金もコネもない貧しい家庭に育った著者のキャリアは、老舗紳士服メーカー フィリップス・ヴァン・ヒューゼンの雑用係から始まる。

 そこから叩きあげで同社のCEOとなるも、取締役会との軋轢から同社を突如解任されてしまう。しかし求職者となった著者は腐らず、世界最大の高級ブランドグループ LVMHで返り咲く。そして、2015年まで8年の長期に渡って経営者を務めた。本書はそんな著者が、組織人としての「出世の極意」を余さず語った自伝的キャリア指南書だ。

 本書は通り一遍のサクセスストーリーというには生々しく、ある種冷徹な合理性に満ちている。昇進の秘訣からライバルに負けない強みの磨き方、ビジネスやマーケティングの極意やリーダーシップまで、精神論ではない成功哲学がふんだんに盛り込まれ、特に失業などの挫折や失敗を乗り越えてゆく姿は必読である。

 また、ダナ・キャラン、カルヴァン・クラインや不動産王ドナルド・トランプ、LVMH創業者 ベルナール・アルノーといった成功者とのエピソードも貴重な示唆に富んでいる。現代において珍しいほど、胸のすくような「成り上がり」物語であり、組織で成功を目指す方、新たなキャリアを模索中の方などは、ぜひご一読頂きたい一冊である。

著者:マーク・ウェバー(Mark Weber)
 ニューヨーク市の貧しい家庭に生まれる。紳士服メーカー大手・フィリップス・ヴァン・ヒューゼン(現PVH)のアシスタント・デザイナーとしてキャリアをスタート。同社のCEOにまで上りつめるも、取締役会と対立し、2006年に解任。数カ月後、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)米国法人CEO、およびダナ・キャラン・インターナショナル会長兼CEOに電撃転身。8年にわたり同職を務め、とりわけ新興国におけるダナ・キャランおよびDKNYの普及に辣腕をふるう。2011年、AAFA主催アメリカン・イメージ・アワードでマン・オブ・ザ・イヤーに選出。CEO退任後もLVMHグループのコンサルタントとして活躍しているほか、マリリン・モンローなどのライセンス管理企業Authentic Brands Group(ABG)の戦略顧問も務める。

翻訳:須川綾子(スガワ アヤコ)
 翻訳家。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。訳書にブルックス『人と企業はどこで間違えるのか?』、ゾッリ他『レジリエンス 復活力』(以上ダイヤモンド社)、パッカー『綻びゆくアメリカ』(NHK出版)など多数。

序章 三つの質問
パート1 ゼロから這い上がる
パート2 挫折を乗り越える
パート3 組織を動かする
パート4 自分を磨き続ける
終章 成功をつかみたい、ほかならぬきみへ

要約ダイジェスト

目指すのは「ゴールの一歩先」がちょうどいい

 私には人脈もなければ、助言者もいなかった。あるのはただ成功したいという思いだけだった。誰もがうらやむ圧倒的な成功を手にしたいなら、

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