- 本書の概要
- 著者プロフィール
そこから叩きあげで同社のCEOとなるも、取締役会との軋轢から同社を突如解任されてしまう。しかし求職者となった著者は腐らず、世界最大の高級ブランドグループ LVMHで返り咲く。そして、2015年まで8年の長期に渡って経営者を務めた。本書はそんな著者が、組織人としての「出世の極意」を余さず語った自伝的キャリア指南書だ。
本書は通り一遍のサクセスストーリーというには生々しく、ある種冷徹な合理性に満ちている。昇進の秘訣からライバルに負けない強みの磨き方、ビジネスやマーケティングの極意やリーダーシップまで、精神論ではない成功哲学がふんだんに盛り込まれ、特に失業などの挫折や失敗を乗り越えてゆく姿は必読である。
また、ダナ・キャラン、カルヴァン・クラインや不動産王ドナルド・トランプ、LVMH創業者 ベルナール・アルノーといった成功者とのエピソードも貴重な示唆に富んでいる。現代において珍しいほど、胸のすくような「成り上がり」物語であり、組織で成功を目指す方、新たなキャリアを模索中の方などは、ぜひご一読頂きたい一冊である。
ニューヨーク市の貧しい家庭に生まれる。紳士服メーカー大手・フィリップス・ヴァン・ヒューゼン(現PVH)のアシスタント・デザイナーとしてキャリアをスタート。同社のCEOにまで上りつめるも、取締役会と対立し、2006年に解任。数カ月後、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)米国法人CEO、およびダナ・キャラン・インターナショナル会長兼CEOに電撃転身。8年にわたり同職を務め、とりわけ新興国におけるダナ・キャランおよびDKNYの普及に辣腕をふるう。2011年、AAFA主催アメリカン・イメージ・アワードでマン・オブ・ザ・イヤーに選出。CEO退任後もLVMHグループのコンサルタントとして活躍しているほか、マリリン・モンローなどのライセンス管理企業Authentic Brands Group(ABG)の戦略顧問も務める。
翻訳:須川綾子(スガワ アヤコ)
翻訳家。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。訳書にブルックス『人と企業はどこで間違えるのか?』、ゾッリ他『レジリエンス 復活力』(以上ダイヤモンド社)、パッカー『綻びゆくアメリカ』(NHK出版)など多数。
パート1 ゼロから這い上がる
パート2 挫折を乗り越える
パート3 組織を動かする
パート4 自分を磨き続ける
終章 成功をつかみたい、ほかならぬきみへ
要約ダイジェスト
目指すのは「ゴールの一歩先」がちょうどいい
私には人脈もなければ、助言者もいなかった。あるのはただ成功したいという思いだけだった。誰もがうらやむ圧倒的な成功を手にしたいなら、