『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』
(ケリー・マクゴニガル/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 一般的に「ストレスは健康に悪い」と考えられている。そのため、多くの人はストレスをなるべく避けるように行動する。しかし、ストレスを抱えている人の中でも「ストレスは健康に悪い」と考えている場合のみ、実際に死亡リスクが高まる——最新の調査研究ではそんな衝撃的な結果が確かめられたという。

 つまり、ストレスが害悪だという思い込みこそが有害であり、ストレスは人間を成長させ、さらにその向き合い方次第で健康と幸福感にも良い影響を及ぼすものなのだ。本書では、そんな最新研究に裏付けられたスタンフォード大学の講座『ストレスの新しい科学』に基き、ストレスを避けるのではなく、「正しく受け入れる」方法が解説されている。

 著者は前著『スタンフォードの自分を変える教室』の60万部以上のベストセラーが記憶に新しい心理学者のケリー・マクゴニガル教授。3年ぶりの書下ろし新著で、前著同様に精神論や根性論ではなく、説得力ある多数の実験結果を紹介。それでいて読後すぐ試せる実践的なガイドブックとなっている。

 ビジネスやプライベートでのストレスから、離別や心的外傷、そしてスポーツでのチャレンジまで多くの事例も収められており、あらゆる種類のストレスに悩む方に役立つだろう。自身のストレスとよりよく向き合いたい方はもちろん、カウンセリング、コーチングなど、他人のストレスに向き合う必要がある方にとっても必読の一冊だ。

著者:ケリー・マクゴニガル(Kelly McGonigal,Ph.D.)
 ボストン大学で心理学、マスコミュニケーションを学び、スタンフォード大学で博士号(健康心理学)を取得。スタンフォード大学の心理学者。心理学、神経科学、医学の最新の知見を用いて、人びとの健康や幸福、成功、人間関係の向上に役立つ実践的な戦略を提供する「サイエンス・ヘルプ」のリーダーとして、世界的に注目を集める。メディアでも広く取り上げられ、「フォーブス」の「人びとを最もインスパイアする女性20人」に選ばれている。
 TEDプレゼンテーション「ストレスと上手につきあう方法」は900万回超の再生回数を記録。著書に、20カ国で刊行され日本でも60万部のベストセラーとなった『スタンフォードの自分を変える教室』をはじめ、『DVDブック 最高の自分を引き出す法』(ともに大和書房)、“The Neuroscience of Change”(オーディオ・ブック/未邦訳)などがある。大学での講義のほか、活発な講演活動のかたわら、グループフィットネス、ヨガの指導も行っている。

翻訳:神崎朗子(カンザキ アキコ)
 翻訳家。上智大学文学部英文学科卒業。訳書に『フランス人は10着しか服を持たない』『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』『スタンフォードの自分を変える教室』(以上、大和書房)、『ぼくたちが見た世界自閉症者によって綴られた物語』(柏書房)など。

Introduction 「ストレスを力に変える教科書」へようこそ
Part1 ストレスを見直す
第1章 すべては思い込み
第2章 ストレス反応を最大の味方にする
第3章 ストレスの欠如は人を不幸にする
Part2 ストレスを力に変える
第4章 向き合う
第5章 つながる
第6章 成長する
第7章 おわりに

要約ダイジェスト

ストレスは人を成長させ、健康で幸せにする

 最新の研究結果によって明らかになったのは、ストレスは人を賢く、強くし、成功へ導くということだ。人はストレスの経験から学び、成長することができるのだ。もうひとつわかったことは、ストレスについての考え方を変えれば、より健康で幸せになれるということである。

 ストレスとは「自分にとって大切なものが脅かされたときに生じるもの」だ。この定義から、

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