『なぜ今、シュンペーターなのか』
(秋元 征紘/著)

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 現在のグローバル経済においては「イノベーション」こそが最も重要な企業活動とされ、iPhoneなどの革新的な製品を武器に時価総額世界最大の企業となったアップルはそのわかりやすい例だ。こうした「イノベーション」が経済発展の原動力となる、というビジョンを100年も前に提唱していたのが、シュンペーターである。

 20世紀を代表する経済学者として著名なシュンペーターの思想と理論は、経営学においてもドラッカーに引き継がれ、スティーブ・ジョブズをはじめとする「企業家」たちに脈々と受け継がれている。本書は、そんなシュンペーターが概念化した「企業家」「イノベーション」「創造的破壊」といったコンセプトをわかりやすく解き明かした一冊だ。

 例えば、シュンペーターは「イノベーション」を引き起こす「企業家」の特徴や動機を定義したが、それらはジョブズの人生や発言と恐ろしいほど符号する。それだけでもその卓越した先見性に驚かされるのではないだろうか。その意味で、シュンペーターの思想は、グローバルな企業社会が実現した今こそ、学ぶべき示唆に満ちている。

 著者はKFC、ナイキ、ペプシ、LVMHグループのゲランなど、グローバル企業の日本法人トップを歴任し、現在もスタートアップ企業数社の経営に携わる人物。実務家の視点から、シュンペーターはもちろんケインズ、ドラッカー、ジョブズなど現代経済に大きな影響を及ぼす思想・理論についても詳しく学べる好著である。

著者:秋元 征紘(アキモト ユキヒロ)
 ワイ・エイ・パートナーズ 代表取締役。ジャイロ経営塾 代表。上智大学経済学部卒業、シドニー大学経済学部修士課程。1970年日本精工に入社、ニューヨーク、トロント駐在等を経て、日本ケンタッキーフライドチキン(日本KFC)へ。その後、同社マーケティング本部長、日本ペプシ・コーラ副社長、日本KFC常務取締役、ナイキジャパン代表取締役社長、LVMHグループのゲラン代表取締役社長、同取締役会長、ゲランSA(パリ本社)執行役員と、欧米企業日本法人のトップマネジメントを歴任。
 2006年ワイ・エイ・パートナーズを創業。2008年ジャイロ経営塾を設立。ベンチャー企業支援、戦略経営コンサルティング、グローバル人材研修およびマネジメント研修、数社の社外取締役・顧問等を務めるほか、執筆・講演等を展開。著書に『金の社員・銀の社員・銅の社員』(文春新書)、『こうして私は外資4社のトップになった』(東洋経済新報社)など。
序章 なぜ今、シュンペーターが注目を集めているのか
第1章 シュンペーターとの出会い
第2章 「企業家」の時代の到来
第3章 シュンペーターの経済理論と人生の軌跡
第4章 企業の目的は顧客を創造することである
第5章 シュンペーターからドラッカーに継承されたもの
第6章 イノベーションで世界を変えたジョブズ
第7章 「企業家ビジョン」の原点に戻り、世界を変える
第8章 「企業家ビジョン」を自分のものとするために

要約ダイジェスト

シュンペーターが生み出した独自の経済理論のコンセプト

 1970年代頃から2000年代初頭にかけて、アメリカやヨーロッパでは、ナイキ、マイクロソフト、アップル、グーグル、テスラモーターズ、フェイスブックなど、その後の世界を変えたグローバル企業の起業が相次いでいた。

 これらの企業の大躍進の原点は、シュンペーターが今から100年も前に打ち出した「企業家」「イノベーション」「創造的破壊」といったコンセプトにある。シュンペーターは、

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