『ブロックバスター戦略―ハーバードで教えているメガヒットの法則』
(アニータ・エルバース/著)

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 近年、ハリウッド映画をはじめ、エンターテインメント業界では「独り勝ち」とも言える圧倒的メガヒット(ブロックバスター)が増えてきている。しかも、これらメガヒットは偶然ではなく、周到な準備と資本投下のもと”狙って”つくられているという。本書はそんな「ブロックバスター戦略」を徹底的に解説した一冊だ。

 何がヒットするかは消費者が決める以上、一見すると多くの作品に平均的に投資していったほうが安全に思えるが、データによればそうではない。売れているものや世間で話題になっているものを知りたいという心理は誰にでもあり、ブロックバスター戦略はそうした消費者心理を突き詰めて考えた戦略だと言えるのだ。

 そうした状況でコンテンツの多様性はどのように担保されるのか、また、ロングテール理論やニッチ戦略とはどう整合するのかなど、興味深い論点に対しても、本書では豊富なデータに基づき解き明かす。映画や音楽、出版、スポーツ、IT業界からメーカーまで幅広い成功事例が取り上げられており、エンターテインメント業界以外の方にも大いに参考になるだろう。

 著者はハーバード・ビジネススクールで人気授業「Strategic Marketing in Creative Industries」(クリエイティブ産業の戦略的マーケティング)を教える女性教授で、エンターテインメントにおけるビジネス理論研究の第一人者。本書ではサンリオ常務取締役でコンテンツビジネスに造詣が深い鳩山玲人氏も解説やコラムを担当している。

著者:アニータ・エルバース(Anita Elberse)
 ハーバード・ビジネススクールのリンカーン・フィレーン記念講座教授。同校の女性教授として史上最年少で終身在職権を取得し、MBA1年目の必修カリキュラムの議長を務める。人気授業「クリエイティブ産業の戦略的マーケティング」を担当し、映画、テレビ、音楽、出版はもちろんのこと、スポーツ産業やナイトクラブまで、ビジネスのロジックで分析していく。『ニューヨーク・タイムズ』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『バラエティ』『フォーチュン』などで研究が取り上げられる。

監訳・解説:鳩山玲人(ハトヤマ レヒト)
 サンリオ常務取締役。1974年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、三菱商事に入社。エイベックスやローソンなどでメディア・コンテンツビジネスに従事。2008年ハーバード・ビジネススクールでMBA取得。同年サンリオ入社。2013年にDeNA社外取締役に就任。2015年よりサンリオ・メディア&ピクチャーズエンターテインメントのCEOとして映画製作に従事。「Business Insider」より、「ハーバード・ビジネススクールの最も成功した卒業生31人」に(シェリル・サンドバーグやミット・ロムニーと並んで)選出。

翻訳:庭田よう子(ニワタ ヨウコ)
 翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。訳書に『わかりやすく説明する練習をしよう。』『ハーバード流企画実現力』(ともに講談社)などがある。

序 章 ショービジネス成功のカギはブロックバスター
第1章 ブロックバスターに勝負を賭ける【映画&出版業界】
第2章 ブロックバスターを売り出して管理する【音楽業界】
第3章 スーパースターに投資する【スポーツ業界】
第4章 スーパースターは自らの力をどのように行使するのか【映画&スポーツ業界】
第5章 デジタル技術はブロックバスターの優位に終焉をもたらすのか【IT業界】
第6章 ブロックバスター戦略は広告手法を変える【出版&音楽業界】
終 章 エンタメ業界の戦略は他のビジネスでも通用するのか【サービス&ファッション業界】

要約ダイジェスト

ブロックバスターを狙え——エンタメ業界で成功するための戦略

 「ブロックバスター」という言葉は、第2次世界大戦時に町の区画(英語ではブロック)をまるごと破壊するほどの威力をもった爆弾が由来で、圧倒的な影響力を表す比喩として大型ヒット映画を表す俗語として使用されるようになった。

 1999年、映画・テレビスタジオのワーナー・ブラザーズで社長兼最高執行責任者(COO)に就任したアラン・ホーンは、

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