- 本書の概要
- 著者プロフィール
「破天荒な経営者」として有名な著者のエピソードの数々は痛快そのものだが、本書ではグループが創業以来大切にしてきた仕事のやり方「ヴァージン・ウェイ」が、「LISTEN」「LEARN」「LAUGH」「LEAD」という軸で語られた貴重な一冊だ。そこでは「聴く」ことを重視し、どんな会議でもメモを取る著者の意外な姿も描かれる。
また、ヴァージン・メガストアやヴァージン・コーラでの失敗など、強気の経営の陰に、苦境や失敗から学び続けようとする姿勢も見逃せないだろう。もちろん業界の大手企業を手玉に取った戦略や、いかにして優秀な人材を採用し、5万人を越えるグループでも自由な組織風土を維持するのか、など興味深い論点も深掘りされている。
一読すれば、どの事業にも共通しているのが、最高のサービスを顧客に提供したいという想いであり、ヴァージン・ウェイの本質が、文字通り「楽しむ」ことにあると理解できるはずだ。リーダーシップの要諦・哲学も多く含まれ、そのユーモアあふれる筆致と合わさって一気に読み進めてしまうだろう。経営者やリーダーを志す方は必読である。
ヴァージン・グループ創業者。1950年7月イギリス生まれ。16歳で高校中退後、雑誌『ストゥーデント』を創刊。70年レコードの通信販売事業を開始、73年レコードレーベル「ヴァージン・レコード」を立ち上げる。84年ヴァージン・アトランティック航空を創業。その後ヴァージン・ブランドを活用した事業多角化を進め、鉄道、金融、携帯電話、旅行、飲料、通信、放送、出版、宇宙旅行などの分野に進出。世界50カ国以上で事業を展開、従業員5万人、売上高約2兆円のヴァージン・グループを創りあげた。冒険家としても知られるほか、エイズ撲滅や地球温暖化防止など社会貢献活動にも力を注ぐ。
翻訳:三木俊哉
1961年7月、兵庫県生まれ。企業勤務を経て、主に産業・出版翻訳に従事。訳書に、『世界はひとつの教室』(ダイヤモンド社)、『ヘッジファンド―投資家たちの野望と興亡』(楽工社)、『スノーデンファイル』(日経BP社)などがある。
パートⅠ 聴く LISTEN
パートⅡ 学ぶ LEARN
パートⅢ 笑う LAUGH
パートⅣ 率いる LEAD
エピローグ
おわりに
要約ダイジェスト
人生は短い、だから思う存分楽しもう
われわれのグループ各社をめぐって「ヴァージン・ウェイ」という言い方がされるが、これは創業1日目からずっと進化してきた。われわれの「ウェイ」すなわち仕事のしかたで大事なのは、黙って聴くことが一つだ。
意見がある人すべての話に熱心に耳を傾け、