- 本書の概要
- 著者プロフィール
しかし、ここで見落とされているのは、自分の脳と心が最高の状態(ピーク)を迎えているときにこうした重要な仕事を行わなければいけないという「生物学」的アプローチだ。人間は効率性を追求できる機械ではないのである。実際に、納期直前などで誰しも極限まで集中した密度の濃い時間を経験したことがあるのではないだろうか。
コロンビア大学で感情と自己制御を教える著者は、たとえ1日2時間でもこうした時間をつくり出せれば、より成功に近づくことができると説く。本書ではそのために「決断の瞬間を見極める」「心のエネルギーを上手に使う」「無理に集中しない」「心と身体のつながりを利用する」「仕事の環境を整える」という5つの戦略が解説されている。
これらは特殊なテクニックではないが、その効果は最新の科学的研究によって証明されたものだ。本書ではまた、5つの戦略だけでなく、人間心理や感情についてのさまざまな示唆が含まれ、時間管理に悩む方だけではなく、圧倒的な成果を出したいと願う多くの方に役立つだろう。是非ご一読頂きたい。
コロンビア大学で社会心理学の博士号を取得。神経科学及び心理学に基づくリーダーシップを研究する国際的機関である「ニューロリーダーシップ・インスティテュート」の研究委員長。コロンビア大学のバーナードカレッジ教員、大学で感情と自己制御を教えている。ニューヨークのNLPセンターではトレーニングスタッフとしてスピーチ力や目標達成技術に関する特別コースを担当。脳科学を利用した目標達成術のスペシャリスト。
翻訳:西川 美樹(ニシカワ ミキ)
東京女子大学英米文学科卒。外資系製薬会社(現グラクソ・スミスクライン)の社内翻訳者を経て、フリーランスの実務・出版翻訳者。訳書は『あしたから子どもが変わる30の子育てマジック』(実業之日本社)、『人の心を手玉にとる技術』(徳間書店)など多数。
戦略1 決断の瞬間を見きわめる
戦略2 心のエネルギーを上手に使う
戦略3 無理に集中しようとしない
戦略4 心と身体のつながりを利用する
戦略5 仕事のできる環境をつくる
まとめ 結果を出す人は最高の2時間のつくり方を知っている
要約ダイジェスト
あなたは効率性の罠にはまっていないか
人は仕事が手に負えなくなったと感じたら2通りの反応の仕方をする。ひとつは、一日をできる限り効率的に使おうと自分にむち打って休みなく働くというもの。そしてもうひとつは、1週間をできる限り効率的に使おうと労働時間を増やすというものだ。
この2つの打開策の根っこにあるのは、仕事を終わらせたいなら時間の「無駄遣い」をやめるべきだ、という考えだ。しかし、こんなふうに考えるのは、