『リーン・スタートアップを駆使する企業』
(トレヴァー・オーエンズほか/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 「リーン・スタートアップ」とは、迅速な試作品作りや「構築―計測―学習」ループを繰り返し、最短、最小コストで新規事業や新サービスを開発する手法である。ひとたび製品が市場に最適化する「プロダクト・マーケット・フィット(PMF)」の状態に到達すれば、さらに改善しながら一気に大勢の顧客に広めていくことも特徴の一つだ。

 この手法は、文字通りスタートアップ企業や、ウェブサービス開発向きに見えるが、実は大企業こそ取り入れるべきだという。なぜなら、顧客ニーズを素早く形にできれば、大企業のほうが資金力と人材で市場を席巻できるからだ。現に、GEやサムスン、デロイトなど様々な分野の巨大企業で、すでにリーン・スタートアップの活用が進んでいる。

 本書では「構築―計測―学習」ループや、事業KPIをベースにした「リーン・アカウンティング」、「イノベーション・コロニー」という組織形態、買収や投資手法までを詳細に解説。15社に及ぶ事例・インタビューも充実しており、ビジネスモデルの刷新や新規事業の枯渇に悩む大企業の「切り札」といえる骨太な内容となっている。

 もちろんスタートアップ企業は今すぐ導入すべき実践的手法であり、また、ベンチャーファンドの経営データやスタートアップの買収・投資実態についての言及も多い。その意味で、ベンチャー関係者はもちろん、大企業で経営や新規事業に携わる方、CFOや投資担当者にとっても必読の一冊といえるだろう。

著者:トレヴァー・オーエンズ(Trevor Owens)
 アントレプレナーであり、イノベーション教育を実施する「リーン・スタートアップ・マシーン」の共同創業者兼CEO。グーグル、セールスフォース、ニューズ・コーポレーション、イントゥイットなどの数千人の社員に研修を実施、五大陸で数百件の新規事業を立ち上げた。

著者:オービー・フェルナンデス(Obie Fernandez)
 「リーン・スタートアップ・マシーン」の共同創業者。また、ジャベリン・ドットコムのCTOでもある。コンサルティング会社のソートワークス社で上級コンサルタントを務め、複雑なカスタムメイドの大企業向けソフトウェア・プロジェクトを担当した。

翻訳:村上彩(ムラカミ アヤ)
 上智大学大学院国際関係論専攻修士課程修了。翻訳家。訳書に『不平等について-統計学と統計が語る26の話』(ブランコ・ミラノヴィッチ著、みすず書房)、『クラウド化する世界』(ニコラス。G・カー著、翔泳社)、『成長し続ける会社一「事業の強み」で飛躍する5つの法則』(マイケル・トレーシー著、日本経済新聞社)など。

監修:佐藤雄三(サトウ ユウゾウ)
 TBWA/HAKUHODO 代表取締役社長兼CEO・博報堂執行役員。早稲田大学卒業。博報堂にて日産自動車を始め、電機、消費財など多業種の営業職を経験。TBWA/HAKUHODO の設立時に、同社執行役員兼メディアマネジメント局長に就任。CFO、日産ビジネスユニット長を歴任した後、オムニコムグループのグローバルユニット Nissan Unitedの組成を牽引。
 また、オムニコム・ユニバーシティ-や博報堂のビジョン策定委員などで広告会社の次世代ビジネスモデルの立案にも関わる。直近では、TBWA/HAKUHODO の社長としてソーシャルデータやデータ解析の実行部隊であるデータアーツラボを創設。

監修・解説:高松充(タカマツ ミツル)
 TBWA/HAKUHODO/QUANTUM 代表。TBWA/HAKUHODO 常務執行役員兼CFO・慶應義塾大学卒業。博報堂にて営業職、在米日本大使館駐在を経て、経営企画職を経験。
 博報堂DYホールディングスの社内ベンチャー制度『ADVENTURE』の立ち上げと審査委員を務めるなど、広告会社の次世代ビジネスモデル開発のプロジェクトに多数参画。2012年、2014年アジア最大の広告専門誌『Campaign Asia Pacific』による、「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー・アワード」の「New Business Development Person/Team of the Year」受賞。

監修・解説:及部智仁(オヨベ トモヒト)
 TBWA/HAKUHODO/QUANTUM マネージング・ディレクター。東京工業大学大学院修了(研究科長賞受賞)。TBWA/HAKUHODO の経営企画室にて中期経営計画の策定から広告会社の次世代ビジネスモデルの事業立案を数多く経験。
 博報堂のHAKUHODO.UNIVにて生活者発想のイノベーションを研究するラボを主宰し、『オープン・サービス・イノベーション』(ヘンリー・チェスブロウ著)の日本語版の監修・監訳・解説を担当。TBWA/HAKUHODO/QUANTUMの組成に参画し、マネージング・ディレクターに就任。京都大学起業家教育プログラム(GTEP)講師、博報堂DYホールディングス社内ベンチャー制度『ADVENTURE』の審査員なども担当。

第1章 リーン・スタートアップ導入の手順 
第2章 戦略をどう立てるか? 
第3章 イノベーションを起こす組織の条件 
第4章 どんな報酬の形で報いるべきか? 
第5章 「テーマ」ではなく「哲学」を持て 
第6章 スタートアップは企業にこう導入する 
第7章 実験・検証の具体的な方法 
第8章 リーン・アカウンティングの活用法 
第9章 社内インキュベーションの育て方 
第10章 早めの買収を心がける 
第11章 買収できないときは投資しよう 
第12章 イノベーションのフロー

要約ダイジェスト

リーン・スタートアップへようこそ

 レンタルブログサービス「ブロガー」をスタートアップしたエヴァン・ウイリアムズは、ブロガーを買収したグーグルに入社したが、1年後に同社を去った。やがてツイッターを共同設立して2013年に株式公開し、その総額は翌年には367億ドルに達した。

 また、ベン・シルバーマンはグーグルに入社してディスプレイ広告に2年間携わったが、

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2017 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集