『スクラム 仕事が4倍速くなる”世界標準”のチーム戦術』
(ジェフ・サザーランド/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 「今までどれだけガントチャートを見てきましたか?」本書ではこんな問いが登場する。あるCEOは「何百と見てきたが、その通りに進んだものはない」と答えた。読者にも、プロジェクトがまったく当初納期や予算通り進まなかった経験がある方も多いはずだ。であれば、これまでの進め方には根本的な欠陥があるのではないだろうか。

 こうした従来型のウォーターフォール型開発に対して、現在世界で注目を集めているのが「スクラム」という新しいプロジェクト管理法だ。スクラムは20年ほど前に完成され、現在ではGoogle、Amazonをはじめ、米FBIのシステムや社会課題の解決にまで導入されている。本書はそんなスクラムの考案者自らが解説した公式ガイドと言える一冊である。

 スクラムを端的に説明すれば、期間を区切った「スプリント」で毎回実稼働するアウトプットを出し、それに対するフィードバックを次の期間に活かすというループを回すものだ。その結果、市場が求める製品が、確実に早い段階で完成する。なお、この手法はビジネスからプライベートの結婚式の計画まで応用可能だ。

 本書ではスクラムの解説はもちろん、設計思想や事例も豊富に語られている。そのため、生産性やチームワーク、働きがい、製品の価値といったテーマに対しても多くのヒントがある内容となっている。製品・サービスの開発やプロジェクト型の仕事に関わる方はもちろん、業務効率や生産性アップを目指す全ての方にお薦めできる一冊である。

著者:ジェフ・サザーランド(Jeff Sutherland)
 米空軍の戦闘機パイロットとしてベトナム戦争に従軍したのち、コロラド大学で博士号を取得し、助教を務める。その後、銀行に勤務し、ATMのシステム構築に貢献。数々のソフトウェア企業でCTO(最高技術責任者)やCEOなどを務めるなかで、プロジェクト管理法「スクラム」をケン・シュウェイバーとともに確立した。2006年にスクラム社を設立、グーグルやマイクロソフトをはじめ、世界中の企業でスクラム導入の支援を行なっている。アジャイルソフトウェア開発宣言の執筆者の一人。

翻訳:石垣賀子(Ishigaki Noriko)
 翻訳者。静岡県生まれ。立命館大学産業社会学部、ウィスコンシン大学(英語言語学専攻)卒業。帰国後、医療機器メーカー勤務を経て翻訳業に入る

第1章 過去のやり方は通用しない
第2章 スクラムが誕生するまで
第3章 チーム
第4章 時間
第5章 無駄は罪である
第6章 幻想を捨て、現実的なプランニングを
第7章 幸福
第8章 優先順位
第9章 世界を変える

要約ダイジェスト

新しい考え方

 物事を進めるには二つのやり方がある。多額の予算を費やしながら何も生まない、従来のウォーターフォール型か、少ない人員と短い期間で、より質の高いものを低コストで多く提供できる、新しい方法か。

 この新しいフレームワークを、私はスクラムと名づけた。スクラムはラグビー用語で、チームが協力してボールを運ぶことを指す。綿密な連携、共通の目的のもとでの団結、ゴールの明確化。これらがすべて含まれる。

 スクラムの基本的な考え方はシンプルだ。プロジェクトを立ち上げたら、

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