『傍流革命——小が大と戦うビジネス・アスリート経営』
(松崎正年/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 連結売上高1兆円を超え、増収増益基調を続けるコニカミノルタ。同社は老舗企業であったコニカとミノルタの合併、創業事業であるフィルム・カメラ事業からの撤退、リーマンショック直後の不況、欧州債務危機、相次ぐ自然災害など、様々な困難に対処し、変革の決断と実行を繰り返してきた。

 本書は2009年から2014年まで5年間経営の指揮をとった松崎正年氏が、在任中の意思決定や経営戦略、リーダーシップや経営哲学を余さず伝えた一冊である。著者は社内でも”傍流”といわれる事業部から社長に上りつめ、「持続的に成長できる会社」「ビジネス・アスリート経営」を標榜し、同社を長期的な成長軌道に乗せた。

 同社は同業他社に比べれば規模は小さいが、「ジャンルトップ」を目指し世界38カ国でカラーデジタル複合機販売台数で1位~2位を獲得、M&Aを活用しITサービスをハイブリッドさせて顧客価値を高めるなど、独自の戦略で存在感を示す。既に売上の約8割、グループ社員の7割を海外が担い、現在も真のグローバル化に向け進化を続けているという。

 そのような、著者の言を借りれば”発展途上の会社の発展途上の経営者”の試行錯誤が描かれているところに本書の醍醐味がある。当事者ならではの葛藤やエピソードを通じて、経営やリーダーシップのあり方が説かれた本書は、規模を問わず、経営やマネジメントを志す読者にとって、実践的事例として大いに参考になるはずだ。

著者:松崎 正年(マツザキ マサトシ)
 コニカミノルタ 取締役会議長。1950年東京都生まれ。1976年東京工業大学大学院修了後、小西六写真工業株式会社(のちのコニカ株式会社)に入社。主に情報機器(プリンター、複合機)の製品開発・商品企画に携わる。
 コニカとミノルタの経営統合後、分社体制下の情報機器事業会社取締役として制御系開発責任者、持株会社執行役として研究開発子会社の社長、取締役兼務常務執行役として技術戦略担当を歴任し、2009年代表執行役社長に就任。2014年4月より取締役会議長。現在に至る。
第1章 変革の原点――「持続的成長」を軸に進化する
第2章 “大に対する小の戦い方”—— 「ジャンルトップ戦略」
第3章 事業の転換——新しいビジネスモデルをつくる
第4章 全体最適化——「真のグローバル企業」に進化する
第5章 環境経営——環境への取り組みは経営戦略そのものである
第6章 リーダーの心得——ビジネス・アスリートを目指す

要約ダイジェスト

“傍流”だから挑める勝負がある

 私は2009年4月から2014年3月までの5年間、コニカミノルタの社長の任にあった。社長に就任した時、最も重要な経営課題を「持続的成長」と定め、「足腰のしっかりした、強い成長を続けられる会社」「社会から支持され、必要とされる会社」を意思決定の原点としてきた。

 そして「ジャンルトップ戦略」と「事業の転換」を実行し、その基本戦略を後任の山名昌衛社長にも引き継ぐことで、コニカミノルタは直近の2015年3月期には連結売上高1兆円を超え、増収増益基調を続けることができている。

 どの企業にも、この製品こそはわが社の主力と推す”主流”の事業と、いわば”傍流”の事業とがある。コニカにとっての主流は、

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