『チームの力—構造構成主義による「新」組織論』
(西條剛央/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 「チームの力」を結集すれば、一人では成し得ないことができる。しかもその組織が意思決定の遅れや、前例主義といった大組織の弊害を乗り越えられば理想的だ。東日本大震災の支援活動においてそうしたテーマに挑み、それを高いレベルで実現したのが、西條剛央氏が立ち上げた「ふんばろう東日本支援プロジェクト」である。

 同プロジェクトでは数多くの小プロジェクトが機能し、実効性の高い支援を実現、10万人以上が関わる日本最大級の総合支援プロジェクトとなった。著者がボランティア未経験ながらこうした成果をあげた背景には、「構造構成主義」の存在がある。それは「価値の原理」「方法の原理」「人間の原理」といった「原理」群から成る独自のメタ理論だ。

 「原理」はいつでも成立する普遍性がなければならないが、それゆえ「原理からの発想」は前例のない事態に対処する強力な思考ツールとなる。例えば「すべての価値は目的や関心、欲望などに応じて立ち現れる」(価値の原理)というシンプルな原理から、組織の目的、理念、ビジョンなどの重要性とさまざまな具体的施策を導くことができる。

 本書ではこうした構造構成主義のエッセンスと、難易度の高い非営利組織の運営を通じて得られたチーム作り、コミュニケーションなどの実践的アドバイスを解説。人間の「本質」が見事に言語化されている。組織論から生き方まで示唆がある稀有な一冊として、特に経営者などリーダー、マネジメント層にぜひお薦めしたい。

著者:西條 剛央(サイジョウ タケオ)
 1974年宮城県仙台市生まれ。早稲田大学人間科学部卒。同大学院で博士号(人間科学)取得。早稲田大学大学院MBA専任講師等を経て、同客員准教授。本質行動学アカデメイア代表。「構造構成主義」という独自のメタ理論を創唱。この理論を用い、東日本大震災後の2011年4月、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げ、ボランティア未経験ながら日本最大級の総合支援プロジェクトへと成長させる。
 同プロジェクトは2014年、世界で最も権威あるデジタル・メディア・アートのコンペティション、「アルス・エレクトロニカ」のコミュニティ部門において、最優秀賞にあたる「ゴールデン・ニカ」を日本人として初受賞。
Facebook:https://www.facebook.com/saijotakeo
序章 『進撃の巨人』の”巨人”とは何か
第1章 なぜ未曾有のチームができたのか
第2章 どんなチームを作るのか——「価値の原理」
第3章 ブレないチーム運営——「方法の原理」
第4章 機能するチームとは——「人間の原理」
あとがき ”いいチーム”とはなにか

要約ダイジェスト

小さな力を集めて大きな力に

 東日本大震災直後、”クジラではなく、小魚の群れになろう”をキャッチフレーズに支援プロジェクトを立ち上げた。小魚の群れは状況の変化に応じ、即座に方向転換ができる。それがボランティア組織「ふんばろう東日本支援プロジェクト」(以下「ふんばろう」)だ。

 「家電プロジェクト」「重機免許取得プロジェクト」といった多岐にわたる50以上のプロジェクトがそれぞれ支援を行い、”小さな力を集めて大きな力に”を実現。その結果、「ふんばろう」は3,000人以上を擁する日本最大の総合支援組織に発展し、既存の組織や団体が果たせなかった実効性の高い大規模支援を実現した。

 それを実現する鍵となったのが”構造構成主義”である。それは物事の本質からなる原理を把握する学問であり、

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