『小山昇の失敗は蜜の味—デキる社長の失敗術』
(小山昇/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 誰もが「失敗から学ぶ」ことは大切だとわかっていながら、なかなか実行は難しい。ましてや大きな損害があったりすると、失敗を直視したくないし言いたくもないのが人情だ。しかし株式会社武蔵野 社長の小山昇氏は、数多くの失敗を文字通り糧として、優良企業をつくりあげた。本書はそんな著者の失敗の数々を余さず語った一冊である。

 著者の”失敗の歴史”は、おそらく普通の人が束になっても敵わないほどバラエティに富んでいる。損失額3億円規模の失敗が3回、1~2億規模の失敗が5回、それ以下の失敗は数え切れないほどだという。さらには社員の半分が一斉に退職してしまうという会社存続の危機もあった。それゆえ、そこから得られた教訓は貴重である。

 例えば、失敗には正しいコツがあるという。それは(1)成功している人の「マネ」をする(2)今までにない「体験」をする(3)今までにない「失敗」をする(4)成功するための「コツ」に気づく、というものだ。これは武蔵野の社員教育に活かされ、失敗から学び、挑戦し続ける風土作りに役立っているという。

 本書では社員のインタビューも交えて失敗を笑い飛ばしながら、失敗が悪いもの、という固定観念を解きほぐし、上手に失敗する(させる)方法がわかりやすく説かれている。特に起業・新規事業や新たなチャレンジをしようとしている方、経営幹部として社員のポテンシャルを引き出し、失敗を恐れない組織作りを目指す方は是非ご一読頂きたい。

著者:小山 昇
 株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、76年にダスキンの加盟店業務を手掛ける日本サービス・マーチャンダイザー株式会社(現在の武蔵野)に入社。77年に退職し、貸おしぼり事業を手掛ける株式会社ベリーを設立。その後、85年に武蔵野に再び入社し、89年には社長に就任。90年から92年まで株式会社ダスキンの顧問も務める。赤字続きの「落ちこぼれ集団」だった武蔵野で社長として経営改革を断行
第1章【小山昇の失敗全史】なぜ私は失敗を歓迎するのか
第2章【戦略編】デキる人は心得ている失敗のお作法
第3章【教育編】失敗させれば社員はすくすく育ちます
第4章【組織編】社員にチャレンジ精神を生む魔法の仕組み

要約ダイジェスト

実力とは失敗の数である

社長室に一脚8,000万円の椅子を置く理由

 「この椅子は1脚8,000万円也」外回りから株式会社武蔵野(東京都小金井市)の社長室に戻ると、こんな札のかかった4脚の椅子が並んでいる。「8,000万円」の椅子が4脚だから、合計3億2,000万円。本当は、これらの椅子は20年ほど前に1脚1万円未満で購入した椅子だ。

 この椅子を購入してしばらくしたころ、私はある新規事業に失敗した。かけた費用は総額3億2,000万円、売り上げわずか3,000万円。そこで私は、3億2,000万円の失敗が形骸化しないように、目に留まった椅子に8,000万円の札をかけ、この値段で買ったことにしたのだ。

 私にとって、過去に犯した失敗は、次につながる大切な財産だ。仕事は新しい体験の連続であり、

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