『外資系コンサルタントの企画力』
(金巻 龍一/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 「企画」というと、斬新なアイデアや、問題を一挙に解決する本質的な解決策を考えようにも、どうしても思考が常識の枠内に収まってしまうことはよくある。また、実行段階で次々と想定外の出来事が起こり、プロジェクトが停滞してしまうことも多いはずだ。

 そこで本書では、元・日本IBM常務執行役員として戦略コンサルティング部門を率い、現在はM&Aアドバイザリー会社GCAサヴィアンのマネージングディレクターである著者が、新規事業開発、経営改革、業務改革などにおいて、企画の発想から実現シナリオ、根回し、説明まで、いかに企画を実現し、組織を変えていくかを体系的にまとめている。

 例えば、企画の第一歩として著者が勧めているのが、まずは“妄想してみる”ということ。「妄想」的なアイデアが、論理性、客観性ある「発想」となり、さらに自組織の強みなどを考慮した「構想」として磨き上げることで魅力的かつ実現可能性の高い企画となる。このように企画の着想ひとつとっても「考えるスイッチ」があり、また企画の賛同者・反対者をどう巻き込むか、という「組織を流れる感情」への対処にも勘所がある。

 本書ではそれらが余すところなく解説され、企画を実現することの本質が見えてくるはずだ。「企画書」のフォーマットではなく、企画力や思考の深さ自体レベルアップさせたい、または経験を重ねた結果の「慣れ」や「パターン」的発想から抜け出したい、”身の丈を超えた”企画やプロジェクトを実現させたい、という悩みを抱く方には、業種を問わず大いに役立つ一冊となっている。

著者:金巻 龍一(カネマキ リュウイチ)
 GCAサヴィアンマネージングディレクター。元日本IBM常務執行役員。1984年早稲田大学理工学部卒業、1986年同大学大学院修士課程修了。その後、日本ビクター入社。アクセンチュアを経て、PwCコンサルティングへ。IBMによるPwCコンサルティング買収に際しPwCコンサルティングの日本オフィス側の統合リーダーを経験。日本IBMでは、10年に渡り「戦略コンサルティンググループ」を統括。IBMのグローバル標準マーケティングプロセス「BVAモデル」の発案・開発者。
 専門は、成長戦略、新事業戦略、グローバル化戦略、マーケティング戦略、ポストマージャーインテグレーション(PMI)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聰教授、ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会(UCDA)理事、日経ビジネスオンラインコラムニスト。著書に『企業統合」(共著、日経BP社)、『カリスマが消えた夏』(共著、日経BP社)がある。『SmarterPlanetへの挑戦』(講談社)の監修も務めた。
第1章(焦燥編)企画とはそもそも何なのか
第2章(妄想編)「常識のフェンス」から脳を解放しよう
第3章(発想編)頭の中にぼんやりと仕切りをつくってみよう
第4章(構想編)発想をビジネスに変えていこう
第5章(実現シナリオ編)組織の底辺にある感情を武器としよう
第6章(企画書とりまとめ編)議論の触媒を準備し決断を求める
第7章(説明準備編)「説明」を設計してみよう
第8章(説明編)すべては正しく企画を理解してもらうために

要約ダイジェスト

企画とはそもそも何なのか

 企画といえば、すぐに「アイディア」という言葉が浮かぶかもしれない。しかし問題は、そのアイディアの善し悪しや実行可能性について、組織内で温度差があるということだ。知識やイデオロギーの違いから単なるやっかみまで、組織の底辺にはいろいろな感情が流れている。

 技術革新、制度改革など、日々世の中は変わっていく。一方で組織の現場は、変化に対応しようとする気持ちと、過去の成功からくる現状肯定が複雑に対峙している。いうなれば、企画とは「世の中の変化」と「組織の底辺に流れる現状肯定の感情」との懸け橋なのだ。

 企画の説明をしても一向にわかってもらえない場合には2種類ある。ひとつは本当に理解できない、

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