『ゲーム・チェンジャーの競争戦略
—ルール、相手、土俵を変える』
(内田和成/編著)

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 同業他社との競争に勝って業界ナンバーワンを目指す…そんなこれまでの経営戦略が通用しない時代になってきている。なぜなら現在では、国内だけでなくグローバル企業とのせめぎ合いはもちろん、業界を越えた「異業種」からの参入にも警戒しなければならないからだ。

 例えば、スマホの無料ゲームアプリは、任天堂など既存のゲーム会社の「ソフトで儲ける」ビジネスモデルを無力化し、ヘビーユーザーのアイテム課金で急成長した。これらの新たな競合はこれまでの競争のルールや土俵、勝ちパターンを崩しにかかる。

 そこで本書では、そうした「ゲーム・チェンジャー」の製品・サービスと儲けの仕組みに着目し、「秩序破壊型」「市場創造型」「ビジネス創造型」「プロセス改革型」の4つのタイプに分類。それぞれの戦い方や、ルールの創り方、そして参入された側(既存業界)から見た、対応策までを解き明かしている。

 今後ますます激化するであろう異業種間競争は、実は自社にとってもチャンスである。なぜなら、自社の事業分野を広げて考えることも可能になるからだ。さらには、先手を打って自社のビジネスモデルを壊すことも可能であり、実際に新品タイヤメーカーのブリヂストンのリトレット事業(タイヤ再生事業)などの事例もある。

 既存の儲け方を磨き上げるだけではなく、今後あらわれるであろう競合に先んじて布石を打ち、自社を革新させていくことは、あらゆる業界にとって必須である。新規ビジネスの参入を考える側にとっても、既存ビジネスの防衛・進化を考える実務家にとっても有益な稀有な一冊として、ぜひご一読頂きたい。

編著:内田 和成(うちだ・かずなり)
 早稲田大学ビジネススクール教授。東京大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て 1985年ボストンコンサルティンググループ(BCG)入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表を務める。さまざまな業界の大手企業を中心に戦略の策定・実行を支援するプロジェクトを数多く手がけ、2006年には「世界で最も有力なコンサルタントのトップ25人」(米コンサルティング・マガジン)に選出。
 2006年より現職。ビジネススクールで競争戦略やリーダーシップ論を教えるほか、エグゼクティブ・プログラムでの講義や企業のリーダーシップ・トレーニングも行う。また、三井倉庫社外取締役、キユーピー社外監査役なども務める。著書に『デコンストラクション経営革命』『仮説思考』『論点思考』『異業種競争戦略』など
第1章 新たなゲームのはじまり――激化する異業種競争
第2章 相手の儲けの仕組みを無力化する〔秩序破壊型〕
第3章 顧客が気づいていない価値を具体化する〔市場創造型〕
第4章 新たな事業モデルをつくり出す〔ビジネス創造型〕
第5章 バリューチェーンを見直す〔プロセス改革型〕
第6章 既存プレーヤーはどう対抗するか

要約ダイジェスト

新たなゲームのはじまり―激化する異業種競

 今、業界そのものが消えてなくなったり、他の業界と融合してしまったりする事態が、そこかしこで起きている。この業界の垣根を越えた顧客の奪い合い――「異業種競争」では、どこから新たな競争相手が現れるかわからない。

 こうした業界のルールを変えてしまうプレーヤーを「ゲーム・チェンジャー」と呼ぶ。異業種競争によって生まれた新しいビジネスやサービスは、既存事業を抱える企業にとってみれば、競争の土俵、競争の相手、競争のルールが変わるゲームチェンジが起きたといえる。

 競争のルールを変える戦い方をマトリクスでまとめると、横軸は、新しい製品やサービスを提供しているか、

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