- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書では、著者の専門である「ランチェスター戦略」をもとに、営業戦略の原理原則から、シェア獲得戦略の立案、目標設定、実行までの考え方と手法が具体的に描かれている。事例や演習を交えながら、どのターゲット顧客にどれくらいの訪問を行い、時間をかけるべきかといった細かい点まで丁寧に解説されているのが特長である。
例えば、ルートセールスでは、営業マンはどうしても訪問しやすいクライアントを訪問をしがちである。そこで本書では、様々な状況で限られた営業リソースをどの顧客に注力すべきか、といった「判断基準」と根拠が詳しく解説されている。経営者や営業リーダー以下一丸となった営業組織づくりに役立つはずだ。
ランチェスター戦略といえば、「弱者」の競争戦略として知られるが、実はその市場を独占しているナンバー1企業でないなら、2番手以下の企業はその市場では「弱者」である。その意味でBtoBの法人営業を必要とし、売上、シェアアップを目指すほぼすべての企業に役立つ内容となっている。
日本成長戦略研究所株式会社 代表取締役。”導線経営”コンサルタント。NPO法人ランチェスター協会認定インストラクター。「集客の仕組み・営業の仕組み・人材育成の仕組み」を最短ルートの成長戦略”導線経営”として体系化した第一人者。コンサルティング歴15年以上、数百社の業績アップ・人材育成に携わり、100名以下の中小企業が最短ルートで成長発展していくための「仕組みづくり」と「導線設計」を得意とする。
大学卒業後、広告会社の営業マン時代に今までと異なる営業手法でトップセールスから最年少マネジャーへ。「結果が出ないのは正しいやり方を知らないだけ。自分と同じ轍を踏んで欲しくない」という強い思いから経営コンサルタントを天職とする。全国の商工会・商工会議所、日刊工業新聞社など各種経済団体でのセミナー講師、大手上場企業での研修講師などを年間100日以上務める。著書に『儲かる会社88 の鉄則』(三笠書房)、『図解で身につく!ランチェスター戦略(共著)』(中経出版)
第1章 9割の営業マネジャーがハマる営業現場の落とし穴
第2章 これを知らずに生き残れない! 最前線の営業現場で勝つための判断基準
第3章 情報なくして戦略なし、戦略なくして売上なし
第4章 売上は現場でつくるのではなく社内でつくる!
第5章 営業戦略の実行と営業マンの行動管理
おわりに
要約ダイジェスト
明確な判断基準があるか否かで営業マネジャーの力量が問われる
法人営業は、それぞれの営業マンがお客様を数社担当し、定期的にお客様のところに訪問することで受注を重ねていくビジネスだ。ルートセールスを主たる営業活動とする業種業界がこれに該当する。
例えば、あなたの会社がお茶を販売していて、A社とB社は同額の100万円の上得意先とする。A社は月1,000万円、B社は月300万円分のお茶を仕入れており、貴社の客内シェアはA社10%、B社約33%とわかった。あなたならA社とB社、どちらに注力するよう指示を出すだろうか?
私の経験では、8割以上の経営者・営業マネジャーの方が「A社に注力する」と回答する。理由は